内容説明
ここ、月では、なんだって起きる。“花とギフトの店”バガテルの前では、1発の核爆弾が自爆するぞと叫び、みんな同じ顔かたち、“わたし”という概念さえない統一教徒のコミューンでは殺人事件が発生する。ニュードレスデン自治警察のアンナ=ルイーズ・バッハが遭遇する数々の事件のほか、〈八世界〉シリーズの傑作群を収録した、待望の短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫のゆり
4
一篇一篇の重みがすごくて、読み終えるのに1週間以上かかってしまった。八世界シリーズ、良いな。性別も自由に変えられ、寿命もほぼ思いのまま。タブーのなくなった世界、自由であるはずなのに、様々な困難にぶつかってしまう・・。「ピクニック・オン・ニアサイド」は少年期からの離脱を、未知の場所(月のおもて側)への旅立ちと、そこでの旧世界の老人との出会いが象徴していて、なんともいえない情感をかもし出していた。表題作も面白かった。2010/04/07
記憶喪失した男
3
ヴァーリイらしい洗練された未来社会がぶっとんでいて楽しい。「びっくりハウス効果」は彗星がぐおんぐおん飛んで行って、宇宙ハードSF好きも満足の一作だと思うが。「バガデル」「イークイノックスはいずこに」なども傑作。
葛井 基
2
読みながら既視感に囚われる。実際にいくつかは雑誌などで読んだことがあったのだろう。久しぶりのヴァーリーはやはり面白かた。買い逃していたのを古本半額で保護らき。ことにビートニクスバイユーはすごかった。子どもを教える者は実は子どもなのだという教育論。2017/08/21
jojou
1
「バガテル」と「マネキン人形」以外は別の短編集で既読。「マネキン人形」は、徐々に妄想と現実の境目が曖昧になっていく描写が気味悪く、良かった。正直オチはよくわからなかった。2020/09/02
funa1g
1
傑作と言っていい作品が複数含まれた名短編集。喋る爆弾に軽薄な爆弾処理のスペシャリストが挑む「バガテル」、全ての人が同一の見た目と生活を持つ社会集団での殺人事件を描く表題作、未来の社会での少し特殊な教育形態とそこでの少年期の終わりを描く「ビートニク・バイユー」が特に好き。2020/02/01