創元推理文庫<br> 時間都市

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創元推理文庫
時間都市

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  • 商品コード 9784488629069

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

催涙雨

56
単に初期作品群だからなのかもしれないが、バラードの短編は長編に比べて読みやすいものが多いように思う。宿命的に人を選ぶ作家という印象も薄れつつあるが、長編を読めばまたもとに戻ってしまうだろう。やはり表題作がいちばん面白かった。時間に支配された大都市の物々しいイメージも素敵だし、それが今では廃墟になっていてかつてその都市が個人の時間割を完全に管理下に置くディストピア的社会だったという過去に触れながら現在の話を掘り下げていく点も効果的かつとても面白いものだと思う。都市のイメージという点では縦横に人工的に開発され2020/02/19

藤月はな(灯れ松明の火)

34
思考実験的な「狂気の人たち」が印象に残っています。狂人が大半を占める中で危険性のある狂人を正常にする。しかし、正常な理性を持って狂気に満ちた世界を見たならば、直すためには「狂気」そのものを全て、潰すしかない。つまり、「正常」による合理的な理性は手段を択ばないために狂気を越える狂気にもなり兼ねないのだ。そしてラストで狂人を正常にした医者が殺人を止めようとする理由がエゴイスティックなのも中々、皮肉的である。「最後の秒読み」はデスノートや「うしろを見るな」(フレドリック・ブラウン)の元ネタなのかしら。2015/01/23

月世界旅行したい

18
昔読んだ。バラード自身は全然病んでいないで明らかに他人事のように書いているところが好きです。内宇宙、という名称は外宇宙(人間の外の世界)と人間の間で発生するのだから、誤解を招きやすい名称に対して実際には外に相当関心があるでしょう。私小説的なものが苦手なのでこういうのは好きです。2015/01/16

emi*

18
読友さんの感想、デスノートを彷彿とさせるお話が入っている、ということで、読んでみた本。図書館より。翻訳物は苦手意識があって、日頃あまり読まないのだけれど、この訳は読みやすかった。〜最後の秒読み〜うんうん、これは確かにデスノートだ。〜時間都市〜先が気になりどんどん読めた。2014/04/12

ゲオルギオ・ハーン

7
各短編とも少し変わった書き方だなと思いました。ストーリー自体はそれほど複雑でもないのですが、表現や文章のまとめ方が変わっているので奇異な印象がありました。翻訳のせいかとも思いましたが、シュールレアリスムの手法をSFと融合させた作風だそうなので、そのせいかもしれません。『アトリエ五号、星地区』『時間都市』が気に入りました。安部公房先生の本が好きな人だと入りやすいかもしれないと思いました。読了後にじわじわ面白さを感じるので他の作品も機会があれば読みたいです。2020/05/27

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