創元SF文庫<br> 渚にて - 人類最後の日

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創元SF文庫
渚にて - 人類最後の日

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  • サイズ 文庫判/ページ数 409p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488616014
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bookkeeper

24
★★★★☆ 礼儀正しく挨拶を交わす1日の始まり。私達の日常と一つ大きく違うのは、彼らが第三次世界大戦後に暮らしているという事。核戦争で北半球が壊滅し、彼らの住むオーストラリアにも放射能が日々南下して来ているのだった…。 終末を迎えても職務に打ち込み、恋をして、庭の手入れをする。牧歌的なまでに善良な彼らが、自らの子供の未来を奪う程の、どんな過ちをしたと言うんだろう。放射能で死を迎える事を拒むヒロインの最期の矜持と、潜水艦の見送りシーンが胸に沁みます。…お酒飲もうっと。「こんどこそ、お前を退治してやる」2018/09/06

ソングライン

21
核戦争の果てに北半球は壊滅し、放射能汚染が南半球に及び始めた世界。アメリカ海軍の原子力潜水艦スコーピオンは、同盟国のオーストラリアに帰属し、その南端の都市メルボルンを母港としています。人々の残された命は6か月、スコーピオンの艦長タワーズと牧場主の娘モイラはこうした状況で出会います。牧場、海辺で人生最後の休日を過ごす二人。既にアメリカで亡くなった妻子を想い、アメリカ海軍の最後の総司令官の職務を全うするタワーズと彼を慕うモイラの悲しくも理性的な恋。ヒューマニズムの強さと美しさを描く本作、感動でお勧めです。2022/01/08

ぽけっとももんが

9
そして誰もいなくなった。最期を迎えるその時、わたしはどうあるだろうか。考える間もなく別れも告げられず突然、あるいはじわじわと逃れられないその時を従容と、またはじたばたと待つのと、どちらがいいのか。そもそも選べるものでもないけれども。とても静かで、最期まで人らしくあろうとした人たちの物語。「でも、いまとなっては、だれたって幸福でいられる時間は、たいして残っていないわねぇ」カウントダウンが始まっても、その残された時間に幸福を感じることができれば。それはまさに誰の身の上にも同じことだ、期限がわからないだけで。2018/02/28

ゆき

8
★★★★☆:核戦争が勃発し、放射能が地球を覆いつくしていく。かろうじて戦火を逃れたオーストラリアにも死の影が徐々に近づいてくるーー。最期の時を迎える人々の群像劇。静かで落ち着いた町の様子はあまりにも性善説に立ちすぎている気もするが、残り少ない日々を慈しむように淡々と過ごす人々の姿はとても切なかった。2017/03/28

けいちゃっぷ

8
素晴らしいSF。静かな、終末を迎える人々の有様が胸に沁みます。409ページ2010/12/14

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