感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
9
丁寧すぎる登場人物紹介で、壮大なネタバレをしているのはご愛嬌。本作は1948年に刊行されており、うそ発見器や真空管などSF的ギミックに古めかしさは感じられるが、それがおもしろさを半減することはない。それにつけても本作の荒削りなこと。解説を読むと、どうもこのヴァン・ヴォークトは猪突猛進のきらいがあるらしく、意味の通じないところは飛ばして読めばいいらしい。正直、そういうSFは嫌いじゃない。ちなみに、非Aとは非アリストテレス主義の略で、現代科学の多面的な価値を持つ現実の謂らしいけど、よく意味はわからない。2015/11/24
鐵太郎
7
遠い昔に読んだ時、スリリングな冒険のところはともかく、非Aという哲学的な難解さはほとんど理解できませんでした。今読み返すと、奇妙なことに気づきます。今もなお、バックにある思想的な哲学がさっぱりわからない。(笑) そして気づいたこと。ヴァン・ヴォクトという作家は、科学と技術についてはほぼ無知であることと、一般意味論、非アリストテレス哲学を根底に置きながら、単にそれを元に一つの「超人神話」を作っただけなのではないかということ。SFの舞台のカキワリとしてこの「非A論」を、なかばこけおどし的に使ったのではないか。2010/01/17
ぼっせぃー
5
よく我慢して読みましたわ。『彼の作品について、ストーリーの破綻、論理の強引さ、俗流精神分析への傾倒などをいちいち批判するのはたやすい。しかし、そうやって腑分けしてしまうと、作品全体として発揮される「物語の加速度」「雰囲気の濃度」をとらえそこなう』(解説より) 状況を整理しないまま読者を放って全てがバタバタと進行していくのを、頑張って美化するとこうなるんですね~。ラストの“指し手”にまつわる真実だけ読んでいいレベル。もしこれが歴史的価値以外に評価される点があるというのなら、新訳を待ちますが、多分無いでしょう2012/01/23
VAVA
4
面白くなりそうな設定から斜め80度でおもいっきり逸れていった感じ。2013/07/13
古家深一郎
4
本当に人気作家だったのかと疑いたくなる内容でしたが、解説を読んでとりあえず納得しました。つか、この解説さりげにとんでもなく貶してるきもします。2010/01/11