内容説明
宇宙海賊ボスコーンの首領ヘルマスの拠点が撃滅される瞬間、一本の通信ビームが発せられていた。ビームが向けられた先は、はるか前人未踏の第二銀河系、ランドマーク星雲。さらなる上位機関の存在を察知した独立レンズマン、キニスンは、巨艦ドーントレス号を率いて、勇躍第二銀河系へ乗り込むが!?前作を凌ぐ圧倒的なスケールで展開する、スペース・オペラの最高峰第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
18
レンズマン・シリーズの第二作目。この巻の“まえがき”で、一作目では語られていなかった背景が語られます。こんなにスケールの大きな作品を読んだのは初めてで、小学生の私は度肝を抜かれました!小西宏氏の翻訳の古いこのシリーズが私が初めて買った「創元推理文庫」です。前巻のヘルマスの悪役っぷりも好きだけど、この巻から登場する“アイヒ族”も良いなぁ!怒涛のような展開に微笑ましい恋愛譚、最後の決戦はもうもう大迫力!これぞスペオペです!!!2019/07/28
白義
10
変わらず超大規模の銀河叙事詩が展開されるが、主人公のキニスンが個人でその全権を背負うグレー・レンズマンになったこともあってヒーローアクションとしてはより物語が飛躍している。なんでも吸い込むネガ・スフィアというガジェットを活かした最終決戦のインフレっぷりは壮観ながら、単に荒唐無稽なだけでなく、ステルスシステムやC4Iシステムなど実際の軍事にも影響を与えたと言われるアイディアの原型が惜しみもなく盛り込まれる考証の確かさも魅力。その宇宙艦隊戦の豪快さと合理性が両立している描写はスペースオペラの最高峰にふさわしい2018/01/14
鐵太郎
8
さて、「グレー・レンズマン」とは、優秀なエージェントであるレンズマンの中でも、知能・能力・体力・精神力・組織力などに特に秀でたものに与えられる特権的地位です。独立レンズマンとも呼ばれます。レンズマンの中でも、ほんのわずかしかその地位には到達しません。この本の中では、キニスンのもっとも華やかな、工作員、作戦家、プロジェクトリーダー、対諜報員、艦隊操作官として大活躍をします。隕石鉱夫、ワイルド・ビル・ウィリアムズというすばらしいキャラクターを創造したりもします。そして最後、パートナーとなる女性との再会。ほう。2005/10/21
ぎゃぐれー
3
相変わらずのボリューム。出だしこそは全巻と同じ展開に不満があったが、中盤の潜入捜査以降は物語に引き込ませるギミックが満載で、これが本当に80年も前の作品なのかと疑いたくなる。スケールは更に大きく、敵は更に強大に、主人公はそれ以上に強く。続編のお手本のような展開。2012/12/05
石綿
2
宇宙海賊ボスコーンの拠点は壊滅したが、遥かなる第二銀河系に更なる上位機関が存在することが発覚。独立レンズマンのキニスンは、巨大戦艦を率いて前人未到の地へ向かう。……レンズマンシリーズ2作目。どんどんとスケールが大きくなっていくのはこういったスペースオペラの宿命か。展開にスピード感があって引き込まれる。面白かった。2017/06/26