創元推理文庫
黒いチューリップ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 376p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488512019
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報



アレクサンドル・デュマ[アレクサンドルデュマ]
著・文・その他

宗左近[ソウサコン]
翻訳

内容説明

フランス王ルイ十四世はスペインから独立をかちとったオランダを、手中におさめんとしていた。その国の片隅で黒いチューリップの創造に没頭していた青年コルネリウスは、政治的陰謀に巻き込まれ、断頭台の露と消える運命にあった。オランダ戦争前夜の史実を背景に、地上の血なまぐさい係争、花を愛する青年と獄吏の可憐な娘との恋。大デュマ会心の恋と戦乱の雄渾な一大叙事詩!

著者等紹介

デュマ,アレクサンドル[デュマ,アレクサンドル] [Dumas,Alexandre]
息子で『椿姫』の作者であるアレクサンドル・デュマと区別するためにアレクサンドル・デュマ・ペールと呼ばれる(息子はデュマ・フィス)。1802年、フランス、エーヌ県生まれ。父親が将軍にまでなりながら、ナポレオンに冷遇され、失意のうちに死亡したため、貧しい少年時代を送る。パリに出て、オルレアン公、のちのフランス国王ルイ・フィリップに文書係として仕えた。共作者オーギュスト・マケを得て、『三銃士』『王妃マルゴ』『モンテ=クリスト伯』『王妃の首飾り』など数々の作品を残した。1870年没

宗左近[ソウサコン]
1919年福岡県生まれ。東京帝国大学哲学科卒業。詩人、評論家、仏文学者。著訳書多数。2006年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

58
オランダ戦争前夜、政治的陰謀に巻き込まれて投獄された青年と獄吏の娘のロマンス。歴史背景の用い方や人物設定はモンテクリスト伯を彷彿させる。ロマンス以上に主人公のチューリップに対する執念ぶりが強烈で、これが元で花相手に三角関係に発展したり、本物のヒロインはチューリップとすら言えるほど。果たしてヒーローは誰なのか?話は一本筋で展開は速く、伏線も非常に明確なので先の展開が読めてしまう冒険活劇で、大袈裟な人物描写も相まって戯曲のような質感を呈している。「自分は幸福だと言わない人こそ本当に苦しんだことのある人である」2018/03/25

北風

19
表紙に銃士が出ているから活劇かと思ったけれど、思いっきりロマンス小説だった。黒いチューリップってのは、なにかの反乱組織かと思っていたんだけど、本当に黒いチューリップのことだった。チューリップの品種改良に夢中な男と、牢獄の看守の娘。今も昔も王道パターンは普遍ね! 文章がかなり過剰でドラマティック。当時の娯楽としては、トレンディドラマに匹敵するんでしょうねー。2020/05/22

kagetrasama-aoi(葵・橘)

19
ご存知!アレクサンドル・デュマの歴史冒険小説。デュマは「モンテ・クリスト伯」(少年少女版でしたが)以来です。翻訳が古くて惜しいです(T_T)。十七世紀後半のオランダが舞台、この頃の歴史に詳しいともっと楽しめるのかなぁ……と。オレンジ公ウイリアムの人となりが伝わりきれていないのが残念(たぶん翻訳の問題です)!コルネリウスとローザの恋愛がとっても素敵、古き良き冒険小説です。大好きです。2019/04/06

鐵太郎

18
1672年のオランダ、正式にはオランダ七州連合共和国が舞台の歴史絵巻。ほぼ40年ぶりの再読。三銃士、モンテ・クリスト伯のような壮大なスケールはないが、19世紀のフランス人が見た17世紀のオランダの痛快な物語ですね。しかも、主人公は青年だけど活躍するのはうら若き少女。翻訳の宗左近さんの言葉の使い方(オレンジ公ウィリアムとか)にイラつくけど、面白い。新種のチューリップに高い価値があったらしい理由とか、オラニエ公ウィレムってあの人のことだろうかだとか、いろいろ歴史ネタを掘り起こしてみたくなりました。2016/04/16

α0350α

12
最初はウィット兄弟の話だと思っていたらいきなり虐殺されて驚きました。コルネリウスはほとんど投獄されていて動きがないのにこんなに面白いのはさすがデュマですね。終わり方も期待通りで良かったです。2014/06/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/484948
  • ご注意事項