創元推理文庫
月光亭事件

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  • サイズ 文庫判/ページ数 324p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488490010
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

引退した名探偵・石神法全の後を継いで探偵事務所を営む野上英太郎の元に、ある日猫を連れた少年が訪れる。卓越した推理力を持つその少年・狩野俊介は、石神との出会いを契機に探偵を志していた。野上は彼を助手として、直後に舞い込んだ依頼―大病院の院長の妻に取り入り、一家の館に居座る奇妙な宗教家の正体を暴くこと―に乗り出すが。少年探偵・狩野俊介シリーズ第一弾。

著者等紹介

太田忠司[オオタタダシ]
1959年愛知県生まれ。81年、「帰郷」が星新一ショートショート・コンテストで優秀作に選ばれた後、90年に長編『僕の殺人』で本格的なデビューを果たす。狩野俊介、霞田兄妹など人気シリーズを多数創造(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひめありす@灯れ松明の火

67
12歳の少年探偵が謎を解かないのは、謎がわからなかったからじゃない。心がわからなかったから。何故?どうして?幼い心には解き明かせない、家族の愛と憎しみの物語。春夏秋冬、幾つ年を経ればわかるのかな。幾つの満月を通り過ぎたらいいのかな、探偵として生きる為にはその清濁を飲み込むだけの度量と、自分が傷つく事を恐れない強さと。有り余る天負の才だけでは勝ちすぎる荷、一緒に考えてくれる優しくてまっすぐな大人。見せないように蓋するでなく、見えたものを一緒に堪えてくれるその人と。まだまだ未熟なホームズ見習、初めての事件簿。2012/09/20

マーム

40
探偵志願の狩野俊介とその愛猫アビシニアン・ルディのジャンヌ、そして石神探偵事務所の所長をしている野上英太郎の二人と一匹の物語。 狩野少年は、最初のうちは、初めて会った人に関する鋭い推理を披露して相手をどぎまぎさせますが、高森警部に「誰だって、自分の心を他人に読まれるのは好きじゃないだろ?」と諫められてからは自重するようになります。 12歳の少年とは思えないこの鋭い洞察力が、孤児である狩野少年が周囲の人間が優しい人かそうでないかを区別するために身につけたものだと知り、不憫に思えてきました。 頑張れ!少年探偵2011/06/19

🐾Yoko Omoto🐾

37
20年ほど前の作品。人気シリーズだったことしか覚えていなかったが、創元社から再版されていることを知って再読。12才と40半ばの2人の探偵が事件を追う謎解きミステリー。一見ジュブナイルとも思える切り口だが中身はライトな本格物。今となっては物凄く目新しいトリックというわけではないが、ハウダニット・フーダニット・ホワイダニットすべてに安定感のある内容。金田一少年や名探偵コナンが好きな人には間違いなく好まれるシリーズ。2人の年の差探偵がとても微笑ましく面白かった(*^^*)2013/07/24

ヨーコ・オクダ

35
狩野俊介シリーズ1。少年探偵モノにありがちな、優れた才能によって、いとも簡単に事件を解決するっていうパターンとは違う!最初、そういう雰囲気を匂わせつつも、ストーリー内でうまいことそれを封印。以後、あくまでも野上所長や高森警部がメインで引っ張っていく形。密室であるはずの月光亭から姿を消した導師と呼ばれる宗教家と、そこで遺体となって発見された豊川夫人。お屋敷内の人間関係もドロドロ、ギスギスで…。トリック自体は、ヒントがいっぱいでわかりやすい。でも、実際にアレを実行したらすんごい音がするんやないのー!?2017/07/06

yumiDON

35
少年探偵狩野俊介のデビュー戦ということもあり、やや小造ながらもしっかりとした土台のミステリー。密室から消える謎の導師、そこに磔にされた被害者。今では使いふるされた設定だが、そこに飽きを感じさせない工夫がなされている。犯人と明かされる真相は、正に月光下に似合う、ひんやりと冷えた悲しさが漂う。俊介と愛猫のジャンヌのコンビも可愛らしく、この後のシリーズにも期待がもてる。2015/10/12

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