創元推理文庫
水に描かれた館

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  • サイズ 文庫判/ページ数 361p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488467029
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

いとこ三人の死の秘密をいだく“崖の館”。財産目録作成のため再び集った涼子たちだが、招聘した鑑定家は予定より一人多く来た。招かれざる客の目的とは。奇妙な緊張を孕んだまま迎えた一日目の夜、聖書を携えた少女が館に保護された。以降、人知を超えた出来事が館で立て続く。幻視的世界の神秘を纏い繰り広げられる密室劇は終局に至って驚くべき展開を遂げる。

著者等紹介

佐々木丸美[ササキマルミ]
1949年北海道生まれ。75年『雪の断章』でデビュー。77年『崖の館』を発表、抒情と幻想を湛えた独自の作風で人気を博す。2005年12月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

相田うえお

94
★★☆☆☆19087 『館シリーズ』3部作の2作目。話が『崖の館』からの続きとなるため、もし読む場合は順番厳守!前作にも増して脇道感を感じます。本シリーズは話の道筋が若干掴みにくいので読み手を選ぶかもしれません。さて、『用の美』物は飾って眺めるのではなく、使われてこそ美しいという考えですよね。まさにこの館では、お宝であっても無雑作に普段使いされているというのが豪快! 作品内で海を歩く話題がありましたが、忍者的には右足が沈む前に左足を出すらしいですが(笑)、実際に水の上をそうやって移動する生き物いますよね。2019/09/16

セウテス

68
館三部作第2弾。〔再読〕前作の完全な続編ではないが順番に読まないと、会話の内容が通じないと思われる。本作は前作よりも幻想感に包まれ、心理ミステリとも言えるのだろうが、推理するには全くもって物足りない。やはり佐々木丸美氏の頭の中だけの思いを、崖の館に置き換えた世界観であろう。狭い範囲の純粋さは魅力的で、私にも気持ちの良い世界である。しかし想像だけで青春や人生は語れない、涼子の心の変化は現実感を表した結果なのではないのか。神秘と現実の間をフラフラとする様な感覚の物語は、前作よりも更に読者を選ぶ作品だと思う。2017/02/22

雪紫

52
再読。鳴り響く鐘。死を封じ込めた館。ただのクローズドサークル以上に因縁めいた館の秩序と幻想、ロマンが、人々を包んでいく。前作でも心理にこだわる姿勢は見せてたけど、ここで丸美さんがミステリや自らの物語に求めた謎、神秘と心理が見えて来る(そしてポエムな部分もな)。館の秩序と守護が最優先の閉ざされた棺の世界。俗世なんて知らない。あるのは知識と神秘。それゆえに成立させる、いや、ここは現実じゃなく「館」だから事件が成立させられるんだぞな空気と雰囲気にさせられるのだ。2022/03/09

yumiDON

52
「崖の館」の続編である今作。相変わらずの幻想ロマンスミステリーと言った感じでたま〜に体が痒くなりそうに(笑)佐々木さんの書く文章は繊細で美しく、哀しい縁を紡ぐ館にぴったりです。特に女性を描く時が断トツで冴えていて、ガラス細工のような透明感を感じます。ただ、涼子は相変わらず生意気だな、と(苦笑)ミステリーとしては、あ、やっぱりそういうことかと、ちょっと拍子抜け。私の推理がぴったりはまったと言うより、肩透かしと言うか。フェアなのかアンフェアなのかよく分からないけど、きっとそういうことは関係ない世界なのだろう。2017/02/12

Yu。

30
哀しき事件の幕引きから数ヶ月‥ 遺された者達の気持ちもようやく一段落付いたかと思えるそんな矢先、財産目録作成の為に館へ派遣されて来た専門家達‥ だがその人数は何故か一人多い‥ 一体誰がそうなのか?何の目的で? 死を呼ぶ館で再び新たな事件の幕が上がる館シリーズ第二弾。一応 ミステリという形で決着を見せているが、終盤まではオカルト的であり幻想的でありダークロマンス的でもあるというミクスチャーな様相に読み心地は相変わらずワンダーランドなんだけども今回のは前作の比じゃないね。。さて次はどうなるんだろ(๑¯ω¯๑)2017/02/01

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