創元推理文庫
海賊丸漂着異聞

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  • サイズ 文庫判/ページ数 263p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488452018
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

時は幕末の動乱期。御蔵島にアメリカの商船が漂着した。島民はやむなく異人たちの上陸を許可するが、その処遇に島の上役らは頭を抱える。時同じくして島内で起きた事件の始末もあり、難題絶えぬ中、やがて各集団で怪死や失踪が相次ぐ…。事態の打開に腐心する若き指導者の前に現れたのは、かのジョン・万次郎だった。時代小説とミステリの妙味が融合した第七回鮎川哲也賞受賞作。

著者等紹介

満坂太郎[ミツサカタロウ]
1931年6月、東京生まれ。高校教諭を経て、シナリオライターとして活躍。1996年、第二十回歴史文学賞に「倫敦の土産」で佳作入選。同年、『海賊丸漂着異聞』にて第七回鮎川哲也賞を受賞。2003年逝去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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はらぺこ

26
ジョン・万次郎が事件をズバズバ解決していくのを想像してたので少々退屈でした。2015/08/08

はる

10
家本。なのに貰った本か買ったものか思い出せない!2005年出版。まさか10年積読山に紛れていたのか。ちょうどジョン・万次郎の未公開写真?(スーツ姿だよ)発見の報を見たばかりだったので、なお楽しく読む。謎解きよりも、時代小説、離島の生活、一左衛門やジョン万の物語として興味深かった。漂流してアメリカに渡った土佐のいごっそうのことをもっと知りたくなってしまった。2015/05/07

みっつ

5
第7回鮎川哲也賞受賞作。幕末、伊豆七島の御蔵島に異国船が漂着した事で事件が起こり…と、維新へと突き進む時代の舞台裏でミステリと歴史小説が融合。変革期ならではの張り詰めた空気は雰囲気十分。若干、ミステリとしては物足りなさが残るものの島人・異国人、各々の特殊な論理性を真相に活かしている点は好評価。中盤以降、物語を引っ張るジョン万次郎の存在も中々に魅力的。残念ながら既に作者は鬼籍に入られているみたいだが、今作を世に出した当時の選考委員は素晴らしいと思う。2010/07/13

ちばっち

3
史実とフィクションをうまく融合させています。離島の宿命として排他的な風土の御蔵に異国船が漂流…とそれだけで大変なのに事件まで起こってしまう。しかしそんな中でも広人や西洋人と交流をはかっているのに微笑ましい気持ちになりました。おいしい所を市左衛門が持っていってしまい意外とジョン・万次郎が「名」探偵していないなぁと思っていたら解説で末國さんが市左衛門を「史実に近い有能で活動的か人物として描きたくなったのではないか」と仰っていてなるほど!と思いました。2015/04/28

たこやき

3
ミステリとしては、やや小粒。ただ、幕末期、中央政界とは距離を置いた地における時代の変革を感じる空気が生き生きと描かれている。その雰囲気が見事。2009/04/21

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