創元推理文庫<br> 愚行録

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創元推理文庫
愚行録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488425036
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上がる、「事件」と「被害者」。理想の家族に見えた彼らは、一体なぜ殺されたのか。確かな筆致と構成で描かれた傑作。『慟哭』『プリズム』に続く、貫井徳郎第三の衝撃。

著者等紹介

貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
1968年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。不動産会社勤務を経て、93年に『慟哭』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風眠

529
関わる相手の受け取り方次第、いい人と言われることもあれば、最悪の人間だよと言われることもある。光も闇も、両方併せ持っているのが人間なのだ。ただやはり思うのは、育った環境が、その後の人格形成に影響していくのだなということ。「普通」に育つ環境は、実はとても恵まれている事なのだ。この物語は、母親がネグレクトで子どもを衰弱死させるという新聞の囲み記事から始まる。ここで、一家惨殺の犯人がわかってしまうのだけれど、わかった上で読んでいても予想を上回る結末だった。何の感情もなく人を殺していく、育ちの呪縛がもたらす悲劇。2017/05/26

hit4papa

440
閑静な住宅で発生した一家四人の惨殺事件。本作品は、事件の背景を探るルポライターのインタビュー形式で物語が進行します。誰もが羨むエリート一家への澱のようにたまった憤懣が、ぶくぶくと噴き出していきます。読んでいて不快な感情にとらわれるのは、著者の筆力の高さゆえなんでしょうね。事件の真相より、事件周辺の人々の、透けて見えるどす黒い心のうちに興味が惹かれました。他者への僻み根性に共感することしきりですが、事件の顛末については不満が残りました。2015/01/01

ミカママ

430
【映画鑑賞済み】事件の関係者へのインタビューの合間に、謎の女性の独白を挟むという手法で、ラストに向けての収束が見事。事件関係者と同じ時代に大学時代を過ごした読者には、また別の「思うところ」もあると思う(笑)携帯やネットのない時代。同じ大学の同級生同士で感じる、微妙に見えるが実はエベレストよりも高い格差。貫井さんの人物・情況描写の上手さが、ここでもミステリーを凌駕している。2018/05/26

takaC

360
これもまた長々と8年も積んでいたのだけどようやく読んだ。すごく嫌な話。君も君もそれは愚行だよ。2017/03/21

mincharos

278
引き込まれて一気読み!関係ないけど、最近娘がコップのお茶を飲み干した後、ドヤ顔で「一気飲み!」って言うのが面白い。かなり私好みな小説だったなー。人間の(特に女の)嫌な部分がこれでもか!って出てきて、かなり読みやすかった。笑 恋愛の駆け引きとかね、昔を思い出して懐かしいし。結局最初から最後までインタビュアーの各人へのインタビューだけで語られるんだけど、最後の方「もうページ数少ないけど、大丈夫?ちゃんと終わるの?」って思いながら最後まで読んで、へぇー!!と爽快な気持ちで本を閉じたのでした。2017/10/26

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