内容説明
美しい薔薇園に包まれた邸に相沢花梨は嫁いだ。二番目の妻良江が謎の墜死をとげた直後。邸には主の苑田俊春のほか、足の悪い妹、家政婦、お手伝い、園丁が住む。最初の妻雪子への思慕が邸内に満ちる状況下で、早々と三番目の妻花梨に向けられる何者かの憎悪！あなたは雪子になれない、良江の二の舞、と告げる脅迫状が次々届けられる。華麗にして残酷なロマンティック・ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うしこ＠灯れ松明の火（文庫フリークさんに賛同）
61
ひょんなことから美しい薔薇園がある屋敷に嫁ぐことになった花梨。しかし彼女が彼の妻となるのは３番目で、数年前に１番目の妻雪子が亡くなっており、２番目の妻となった良江も謎の墜落死を遂げたばかりで・・。咲き誇る薔薇の花の香りがこちらにまで漂ってきそうなお話でした。たくさんの種類の薔薇が紹介されていましたが、そのほとんどを知らなかったことが悔やまれてなりません。誰もが疑わしくて犯人が誰だろうと最後までグイグイ読めました。決して後味のいい話ではありませんが、こういった話を私は嫌いではないです。★★★★2012/12/12
papako
33
薔薇の館とそこに住む人々の心のひずみが生む物語。見事な心理ミステリー。美しい亡夫人の影に支配されている館に嫁いでくる女性。そして始まる悲劇。人の想像力や悪意、嫉妬など様々な感情が入り乱れる。登場人物すべてがあやしく思え、そして最後はハッピーエンドと思わせて。。。最後の最後まで気が抜けない。面白かったです！解説に書かれているように、精緻なミステリー。2013/10/14
momi
23
今邑さんにハマってしまっています！！この作品は…とにかく「薔薇」で始まって「薔薇」で終わる…。右向いても左向いても「薔薇！薔薇！薔薇！」匂い立つ薔薇の香りに、こちらまでやられてしまいそうです…！始まりは「薔薇」美しい薔薇園に包まれた屋敷に嫁いだ花嫁…自分に向けられる激しい憎悪！憎悪！憎悪ーーっ！みんなゆがんで見えてしまう恐ろしさ…！読書中は雰囲気に飲み込まれてしまいますよ…。でも…その恐怖を誘う香りと、どんよりとした雰囲気を楽しむ作品だと私は思います…。2014/03/07
HaruNii
22
雪子/良江と二人の妻を亡くした薔薇屋敷に住む主人と結婚し、薔薇屋敷に住むことになる花梨。 恐怖に陥れる手紙を受け取り、薔薇屋敷の住人全て信用できなくなる。誰が犯人かなかなかわからず、とても怖い展開で引き込まれました。 けっしてハッピーエンドでは終わらないと思いましたが、ラストはやはり怖い終わり方。2017/08/18
Zann
17
妙なきっかけで不思議な薔薇の館の主と知り合いになり、花嫁になることに。プロローグの主は誰？手紙の差出人は誰？あお髭？世界観も花嫁になった理由も手紙の理由も全てがフワッフワしてるので、ひろーい心で読むと楽しめるかなぁf(^_^;2014/05/18
