内容説明
本の街神田神保町でビルの所有者でもある古書店主が不可解な死をとげた。稀覯本を巡るマニアックな収集家の凶行か、地上げ問題にからむ犯行か?たまたま同時刻頃、ビル内隣室の古書店で怪気炎を上げていた愛書家グループ「黎明の会」の面々にも容疑がかけられるが…。古書に魅入られた人々の生態をあますところなく描きあげて鬼気迫る、傑作長編推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochi
20
いずれ劣らぬ愛書家(書痴ともいう)の集いである「黎明の会」の懇親会が本の町神保町で行われ、二次会の場は成り行きで、会長である清水の古書店に流れたが、古書談義に熱中している間に、同じビル内の古書店主が死体で発見されるという事件が… 神保町という世界でも稀な本の町を舞台に起こる殺人事件で、怪しい容疑者たち=書痴の面々となれば、本好き、古書好きには、それだけでうれしく、でも紀田さんって、推理小説もうまいもんだと、感心しているが、もともとこの世界の人だったとは!書痴たちのモデルには作者自身も含まれてると推理^_^2019/12/11
timeturner
5
伏線が目立ちすぎて犯人はすぐにわかってしまうけれど、この本の魅力は謎解きではなく、古本収集家たちの暗くて熱い情熱が行間から吹き出してくるところ。それにしてもカバーが怖い。2017/01/24
北山央晃
4
山央晃 これも古書店チェーン店の支店閉鎖の時に50円だかで手に入れたものだと思う。カバー写真の不気味さがいい。 古書愛好家たちの常軌を逸した生態と相まって続々する。古きよき?時代の東京神田神保町の描写もまたそそられます。 2017/09/29
コウみん
2
神保町にある古本屋の店長がある日、死体に発見される。 一方、同じビルに古本屋と同じビルにある愛読クラブの人にも容疑がかかっていた。一体、犯人は? この小説はミステリーの中でも本がとても大好きな人が読んだら面白がる本だった。2017/09/28
ふみえ
2
最後まで犯人が分からなかった(誰もが怪しい)。犯人探しよりも、愛書家たちの古書へむける情熱?に感心し、ちょっと笑えました。身の丈の趣味が安全です。2012/10/07