感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
429
最終作も出たので一気に読破しようと思う。三作目までは既読であるが、一つ一つの事件はさすがに全く記憶に残っていなかったので、新鮮に読み直せた。改めてフロストの会話の切り替えしや地の文章のとぼけた感じがツボ。それでいて英国風味がちゃんと漂っている。ミステリとして語られているが、実際のところ、読者に謎を提示するようなスタイルではなく、単純にフロストの一挙手一投足を楽しむ為の物語。したがって物語の構成や人物では作品毎に大きな差はなく、フロストのジョークや失敗がツボにはまった作品がお気に入りになるといった感じ。2017/07/10
Kircheis
377
★★★★☆ フロスト警部シリーズ第2作目。 前作に引き続き、多くの事件が並列的に存在するモジュラー型警察小説となっている。 フロストの相棒は元警部だが暴力事件を起こして巡査に降格したウェブスター。ずっとフロストを見下していた彼が最後にはフロストに敬意を抱くようになっているのは痛快。 事件のごった煮感は前作よりアップしているが、色んな伏線が繋がってラストには綺麗に解決しているのが見事。次作も読もう。2023/06/09
Panzer Leader
100
下品で口は悪いは無計画で思いつきに頼って行き当たりばったりに捜査するんだけど、次から次へと起こる事件を華麗とは言えないながらも解決に導く憎み切れないフロスト警部。社会的弱者や犯罪者にさえも気遣いを示すやさしさはまるで寅さんが刑事になったような人情派。700頁を越す分厚さも気にならず今作も楽しく読み切れた。一気に読むのは勿体無いんで少しずつ読んでいこう。 2018/10/24
セウテス
95
【フロスト警部シリーズ】第2弾。〔再読〕今回は、連続婦女暴行魔がデントンの街を暗躍し、公衆トイレから浮浪者の遺体が見つかり、老人の轢き逃げに少女の失踪等々、まだある多くの事件が発生する。普通は最後に全ての事件が繋がりスッキリとなる所、様々な結末があり幾つかは哀しい余韻を残す。フロスト警部の下品さや毒舌に見逃して仕舞いがちだが、かなり複雑なプロットである。ミステリと言うより刑事物語であり、フロスト警部の活躍?を素直に楽しむ作品だろう。何故か今回も読みたくなり、夢中で読んでいっぱいになってしまう、そんな感じ。2020/10/18
オーウェン
76
フロスト警部シリーズ第2弾。 1巻よりもさらにボリュームアップで700ページ越え。 事件もその分多くありで、次から次へとフロスト警部を襲い、流石の警部も寝不足気味に。 相方のウェブスターも気が早く手を出してしまった性格が事件に関わる。 議員との駆け引きから、娘の失踪に繋がるトンでもな親。 そして連続婦女暴行魔の意外な事実。 一抹の寂しさから、間を置くことなく犯人を指摘する警部の推理。 下品さにも磨きがかかるフロスト警部の活躍3作目も楽しみです。2022/03/14