創元推理文庫<br> 水の戒律

創元推理文庫
水の戒律

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  • サイズ 文庫判/ページ数 424p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488282011
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

夏の闇をついて一件のレイプ事件が発生した。現場は、地元民がほとんど足を踏みいれることのないユダヤ人コミュニティ。厳格な戒律に従って敬虔な毎日を送っていたはずの彼らが、なぜこのような事件を引き起こしたのか?立ちはだかる宗教の壁を前に、未成年犯罪担当のデッカーは困難な捜査を強いられるが…。マカヴィティ賞最優秀処女長編賞に輝く、スリリングなデビュー作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bookkeeper

38
★★★★☆ 再読。ロスのユダヤ人コミュニティでレイプ事件が発生。特異な習慣や宗教的な社会に捜査は難航する。大柄ながら気遣いもできる刑事デッカーと、コミュニティで知り合う未亡人リナ・ラザラスのラブストーリーも絡めたサスペンス。敬虔なユダヤ人社会の宗教感や生活様式など、知る機会の殆どない世界を知る機会を与えてくれる貴重な一冊。惹かれ合いつつもどうしてもあと一歩踏み切れないリナと、じりじりしながらも尊重するデッカーの関係がいい。野球観戦や牧場などのデートが微笑ましい。事件よりそうした描写の方が記憶に残る。2024/01/21

Ayah Book

23
以前二作目を先に読んでしまい、改めて一作目を読む。閉鎖的なユダヤ人コミュニティで起こったレイプ事件の真相に挑む、デッカー刑事と美貌の未亡人リナのシリーズ。この作品は二作目と違って、デッカー刑事が感じが良く、恋愛の進み具合もゆっくりと穏やかで微笑ましく読んだ。ミステリ部分は先が読めるというか、犯人は分かりやすいと思う。でも、ミステリと恋愛の塩梅が程よくて、テレビドラマにしたらいい感じだと思う。2020/09/11

Yoko

18
長寿シリーズの第1作。日本に紹介されたのは20年以上前になりますが古さは気になりません。サスペンスとしてぐいっと読ませる力はさることながら、ユダヤ人コミュニティという特殊な環境で起こった事件を軸に信仰や戒律、様々な生育環境、価値観を素地にしたアイデンティティーについて考えさせられます。ユダヤの教えを知る第一歩としても良いのかも。厳格なばかりでない意外な一面も知ることができます。安息日の食事なんて楽しそう。遅まきながらケラーマンの素晴らしさに触れ、次作以降を読むのも楽しみです。2016/02/20

ほちょこ

17
これまた興味深いシリーズを発掘(!)。ユダヤ教の神学院集落でおこった事件を捜査する巡査部長とその仲間達、厳格なユダヤ教徒の未亡人、いろんなわけあり人物が登場する。ユダヤ人に対する差別や偏見については、なるほど私には想像がつかないほどの深い因縁がある。それが現在にも存在することには驚く。さらにユダヤ教の難しさ。このシリーズ、どうやらこの巡査部長と未亡人のシリーズに発展するらしいのだが、前途多難さがすでにありありと見える。両者懐柔の余地がみえないのだけど・・・。2016/03/19

寧々子

14
正統派ユダヤ教徒のコミュニティが舞台となっているので、あまり馴染のなかったユダヤ教の一端を垣間見ることができました。 事件のほうは自分たちの戒律を重んじる彼ら相手に、捜査はなかなか進展しません。 なかなか進展しないのは、ディッカー刑事とリサの間も同じ。 事件がどのように進展していくかよりも、2人の関係がどのように進展していくのか、そちらの方に重きが置かれていたように思えました。 普通ならすぐに巧くいきそうな2人が宗教観の違いによって揺れる様子が、ミステリーっていうよりロマンスっぽい雰囲気に拍車をかけてた。2017/09/15

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