内容説明
「眠そうですね、ケリングさん?」ビターソーンがこちらを見て微笑んだ。マダムの御殿と呼ばれる風変われな美術館、そこで開かれる演奏会へとやってきたのだが、暖かい4月の午後、自然に心も緩んでしまう。けれど微笑み返したその瞬間、眼の前を何か黒いものがよぎった。孔雀と警備員が同時に悲鳴を上げる。今のは…人間?セーラはまたもや事件の渦中にあった。シリーズ第3弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
56
セーラシリーズ第3弾。セーラとマックスは美術館の演奏会に向かう途中、警備員の転落に鉢合わせをする。その美術館にはケリング家の従兄ブルックスが働いており、展示品に贋作の噂が絡んでいるらしい事が解る。セーラの下宿の様子や下宿人とのやり取りに、御国柄か日本人の私との剰りにもの違いを楽しんでいます。マックスとの間も徐々に近づいており、二人のロマンスもシリーズならではでしょう。ミステリというより、コージーサスペンスという感じです。名家のご婦人の立場というか、色々な苦労をこなしていくセーラを、思わず応援しています。 2018/02/03
rokoroko
10
セーラ・ケリングシリーズ第3作。このシリーズは前に読んだ時の自分が思い出される。主人公と同じくらいの年だったのかしら。自分の仕事をしてちょっぴりロマンスもあり社交生活もして友達もいる、そんなセーラが羨ましかったのかな。ソルペンディ夫人が魅力的で楽しい。2017/10/12
むらさきめがね
7
おさんどんにコスプレ・追跡と、今まで以上にがんばるセーラが楽しめる三作目。名香智子さんの漫画っぽいなーと思いながら、気づけばすっかりハマっております。衣装の描写が多いのは嬉しいけど、時代背景がいまいちつかみきれず。なんとなーく刑事コロンボとかムーアボンド時代の007をイメージしつつ補完中。2015/01/16
Apollo
5
美術館3階バルコニーから警備員が落下死するのを、セーラ達が目撃するという、ミステリー王道の滑り出しがいい。今回も美術・芸術方面で個性的な面々が登場し、セーラの下宿も連日賑やかで楽しそう。今回も新たなカップルが誕生したしね。シリーズ物としてどんどん油がのってるかんじ。2016/07/09
一柳すず子
4
セーラケリング3作目。マックスが頑張ってる。悪趣味御殿での変死事件を調べるために怪しい裏社会とかヒッピー的な集まりとかにセーラが潜入する。贋作画家の案外ピュアな面に少し同情。そしてまたセーラの従兄弟が結婚する。2016/11/20