創元推理文庫
悪魔はすぐそこに

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  • サイズ 文庫判/ページ数 409p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488240035
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ハードゲート大学の数学講師ピーターは、横領容疑で免職の危機にある亡父の友人ハクストンに助力を乞われた。だが審問の場でハクストンは、教授たちに脅迫めいた言葉を吐いたのち変死する。次いで図書館で殺人が起き、名誉学長暗殺を仄めかす手紙が舞い込む。相次ぐ事件は、ピーターの父を死に追いやった八年前の醜聞が原因なのか。クリスティが絶賛した技巧派が贈る傑作、本邦初訳。

著者等紹介

山田蘭[ヤマダラン]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

272
ディヴァイン作品を何冊か読んだ後に読むのをオススメしたい一冊。似たような舞台設定が多く、挫折や劣等感を抱えてくすぶる主人公の再生譚にもなっていることがほとんどな著作群の中で、自らのお家芸を、狙って逆手にとった意欲作といえるのではないだろうか。視点人物の切り替えがやけに多く、最初はらしくないなと感じながらも、それぞれにキャラが立っていて魅力があるので、途中からはしっかり引き込まれる。そして、その時点でディヴァインの企みは成功しており、例によってシンプルな真相にも驚きを添える。2022/12/03

yumiko

88
ディヴァイン2冊目にして、お気に入り作家に仲間入り♪ 読んでいる間はひたすらドキドキ、でも解決してみれば犯人はこの人でしかありえない…やっぱりミステリーはこうでなくちゃ! 散りばめられた伏線を拾いながらもう一度ページをめくれば、解説にある通りそれまでの景色がガラッと姿を変えて見える。 巧みなミスディレクションはため息もの。 2回目の方がより楽しめるとは言い過ぎかな…? 凝ったトリックはなくとも、書き方でいかようにも面白くなるというお手本のようなミステリー。オススメ♪2017/05/10

セウテス

78
ディヴァイン5作品目。〔再読〕物語は閉鎖的である大学が舞台であり、警察は一応働くのだが、主な登場人物の多角的視点で語られて行く。その為最後はいったい誰が探偵役になるのか、途中では全く解らないという緊張感が生まれる。推理すべきは誰が犯人なのかであるが、前作同様細やかな人間描写により、リアルな人物造形がなされる事でたいへん難しい。本作の素晴らしい処は、謎をきちんと解けるミステリであり、作中に幾つか犯人をはっきり示唆しているにも関わらず、最後までサスペンスフルな事だ。今回再読して、随所に唸らされっぱなしである。2017/09/23

タツ フカガワ

66
横領を疑われた大学教授が自殺を装った姿で殺害される。やがて事件は女子大生が堕胎手術で死亡した8年前の出来事へと繋がっていく。大学内の人間関係や男女の機微を織り交ぜながら進むフーダニット小説で、各章は主要人物たちの三人称多視点叙述という構成。表題が暗示するように、事件の真相を探っていく彼らは探偵役なのかそれとも犯人か。読み進むほどにハマっていった英国本格ミステリーでした。1966年作品。2022/05/15

yukaring

57
大学内で教職員が巻き込まれる連続殺人。過去に葬られた事件を蒸し返そうとする講師が殺され、新学長の就任式では学長を暗殺を仄めかす脅迫状が舞い込む。ハードゲート大学内に一体何が起きているのか?大学という小さなコミュニティの中で複雑に絡まりあう人間関係の描写はさすが!読者がこの濃厚な人間関係にハマってミスリードされている内に巧妙な伏線が仕掛けられ、最後に一気にその伏線が回収される様はまるでパズルのよう。そして今回もこの小さなコミュニティなのにキッチリ意外な犯人でビックリ。ディヴァインをたっぷり堪能できる1冊。2022/09/17

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