内容説明
義父が殉職した。刑事マロリーは上司の命令を無視して単独捜査を始める。違法行為をものともせず、ただ犯人を挙げるために―。鮮烈無比なヒロインを描く新シリーズ開幕。
著者等紹介
務台夏子[ムタイナツコ]
英米文学翻訳家。訳書にオコンネル「クリスマスに少女は還る」、デュ・モーリア「鳥」、アンブローズ「覚醒するアダム」、フレンチ「記憶の家で眠る少女」などがある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
84
【キャシー・マロリー シリーズ】第1弾。資産家老夫婦の連続殺人を、捜査していたキャシーの義父であり、警察官の義父マーゴヴィッツが殉職する。強い女性のミステリとして良く名前が上がるシリーズで、氷の天使のイメージよろしく美貌の警察官であり、私としては期待値が高い。登場人物レギュラー陣の個性はかなり気に入っているが、本作がデビュー作らしく、謎解きとしては今一つに感じる。彼女の設定が使いこなせていない部分も在る様に思えるが、謎解きよりも謎を解こうとする人々の描写、個人の歴史や内面に重点が存在するという作品だろう。2020/12/30
papako
74
なんとなく気になって。いろんな理由で時間かかったが、予想以上に楽しめた!NYの女性刑事マロリー、同じ刑事の父親が殺された。次々に殺される老女。果たして犯人は?殺人の犯人よりも降霊会を装ったインサイダー取引の犯罪システムの方が興味深い。マロリーを助ける直観記憶の持ち主チャールズがとにかく良かった。ストリートチルドレンだったマロリーが育ててくれたルイとヘレンを思い出すシーンはぐっときました。ルイと一緒に仕事をするマロリーに会いたかったなぁ。じわじわ読んでいきたいです。2020/08/16
goro@80.7
73
マロリーは「ミレニアム」のリスベットみたいだな。美貌と怜悧な頭脳の持ち主だが、心はどこかに穴が空いている。その穴を塞ぐ事は出来なかったが、少しずつ埋めてくれた養父の警視ルイの敵を討つため一人捜査を進める。事件自体も多彩な登場人物によって混迷を極めるが、ちょっと読み辛くてこちらの頭も混迷を極めた。第6作「吊るされた女」が評判よさそうなのでそこまではシリーズ追ってみたい。2021/01/21
yumiha
46
『吊るされた女』を先に読んじまってからの、ニューヨーク市警キャシー・マロリーシリーズの第1作。キャシーにとって、まるごと受け止めてくれる存在だった養母ヘレンの存在が大きかったんだと再認識した。養父マーコヴィッツも、キャシーに振り回されながら、それでも自慢の娘として接してくれたことを知る。本作の肝、ミステリー部分の資産家老女連続殺人事件の謎よりも、その犯人像よりも、キャシーがどう考えどう行動するのかちゅうとこに、関心を持って読み進めた。2019/11/28
あさうみ
42
海外の警察小説が好きで、これ読んでないの!?言われるだろうと有名なキャシー・マロリーシリーズの第一弾。波乱な凄惨な過去を過ごしたが、類まれなる美貌、鋭い頭脳を持ち凄腕のハッカー。養父が犠牲になった連続殺人事件を独自に捜査する。読み進めるが独特な言い回しが多く、そこはかとなく読みにくし…しかし、巻を増すにつれてきっと面白くなるはず!キャシーの氷のような表面に実は熱い気持ちが隠されていそうな…。イチオシは「ルート66」とのこと。それまで読み進めたいな…。2018/04/10