内容説明
パラダイン男爵家を脅かす怪現象の数々―ポルターガイスト、うろつく尼僧の亡霊、外から鍵をかけた部屋で夜ごとひとりでに曲を奏でるハープ。さらに悪いことに、客人が幽霊に襲われた!騒動を鎮めるため駆けつけた心霊探偵ヒーロー氏の活躍やいかに?『スノーグース』などで知られる心やさしきストーリーテラー、ギャリコ唯一の長編本格ミステリ、本邦初訳。
著者等紹介
ギャリコ,ポール[ギャリコ,ポール] [Gallico,Paul]
1897年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒業。スポーツライターとして活躍した後、40歳前後で作家に転じ、幅広いジャンルの作品を手がける。1976年没
山田蘭[ヤマダラン]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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goro@80.7
40
ポール・ギャリコのミステリー作品。旧い館の斜陽な一族に降りかかるポルターガイストに尼僧の幽霊、聴こえるハープの音色。幽霊退治に呼ばれてきたのは心霊探偵ヒーロー。パラダイン一族とそれぞれ怪しいゲストの方々の中で真相を明らかに出来るのか!?モテモテ探偵さんが羨ましいですが、ギャリコらしくて以外にミステリーでありました。少しだけハリスおばさんが出てきます。2016/05/30
はな
36
やっと読めました!面白かったです。ホラーのイベント参加のつもりで図書館で見つけて読みましたが、推理小説でした。典型的な感じが久しぶりで楽しかった。キャラクターも生きていてとても良かったです。2016/08/31
紅はこべ
31
美人に弱く、女性や子供には優しいが、モラハラ系の男には容赦しない心霊探偵ヒーローのキャラが良い。イヤミスの正反対系ミステリ。「ダウントン・アビー」の舞台での「トリック」みたいな感じ。但しヒーローが実は本物の心霊現象を見たがっているというのが「トリック」とは違うな。我孫子武丸氏の解説にある通り、子供の描き方が良かった。それにしてもヒーロー、女心に疎すぎ。シリーズ物になってもおかしくないミステリでした。2015/03/30
きょちょ
25
感動の名作「七つの人形の恋物語」の著者ポール・ギャリコ唯一の長編ミステリーだそうだ。 誰もいないのに鳴るハープ、勝手に動く椅子、物が飛び交う部屋、妖しい尼僧、すべて幽霊の仕業なのか・・・。 謎解きとしては、なかなか本格的なものだった。 探偵役と、彼の継妹の関係がなかなか良いね。 ★★★2020/04/04
タカギ
25
アメリカ人の作家がイギリスが舞台の小説を書くのはなぜだろう。逆はほとんどない気がする。貴族がいないからかな。「アメリカ人」というのもくくりが難しい。有名な童話作家のポール・ギャリコ唯一の長編ミステリ。タイトルからもわかるように心霊現象が絡んでくる。最初は登場人物の区別がつかなくて戸惑うが、主人公の心霊探偵・ヒーローが登場してくると、彼の魅力でぐっと読みやすくなる。女性に弱いという設定も下品にならず、面白い。解説の我孫子武丸氏によると、短編にはミステリふう傑作があるそうなので、読みたい。2019/10/22