創元推理文庫<br> 被害者を捜せ!

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創元推理文庫
被害者を捜せ!

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488164027
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

97
〔再読〕ミステリは犯人を探すWhodunitを楽しむ小説だが、本作はタイトル通り被害者を探すという物語だ。どういう事かと言うと、主人公たちは海兵隊員であり、ある孤島に出兵中なのだ。よって第二次世界対戦当時、ネットなどは無く送られてくる新聞等しか無かったのだ。その新聞が破れており、犯人は分かるが被害者が解らないという、素晴らしい設定が出来るのだ。被害者を推理する為に会社の内情を説明するのだが、この組織内のねっとりドラマそのものが、一つの人間ドラマで読み応えがあり、一人一人を見事に描き分けており何とも面白い。2018/06/25

雪紫

56
読友さんからのおすすめ。出征前の職場で殺人が。犯人が(表紙からハブられた)代表なのは新聞記事で明らかなのに、被害者の名前が破けててわからない。ならば賭けにして推理してみようじゃないか。コールマン女史やハーディング女史はギスギスだしノーマン婦人は強烈だしホイップルの鬱屈がリアル過ぎるしのギスギスで、良く今までやって来れたなどころか主人公巻き込まれてないのが不思議。被害者は言動とカンで当たったものの、心理的以外にも序盤からヒントがあったとは・・・。あらゆる根拠がここまでするっと納得出来るのには脱帽です。2023/07/24

たち

39
殺人事件の被害者がわからず、誰だかを当てるという面白いシチュエーションです。普通ではあり得ないのでしょうが、この時代なら大きく頷けます。〈家善協〉のドロドロの裏事情は詳しく書かれているけれど、海兵隊仲間の個性がもっと良くわかるシーンがあれば面白かったのになぁ。いきなりジョーが呆気なく答えを言っちゃって少し面食らいました。2020/09/04

うえぴー

17
ミステリの手法としては珍しい被害者探しの物語。第二次世界大戦のアリューシャン列島に配属されて退屈な日々を送っていた僕の手元に小包が届く。活字に飢えていた僕たちは、荷物の緩衝材に使われていた新聞紙を奪い合って読み始めた。ところが、その中の一枚に、僕の元上司が同僚の1人を殺害したとの記事が。でも肝心の被害者の名前の部分が破られていて読めない。気になる僕は、以前の記憶を思い出し、誰が被害者になったのかを推理する……。予想以上にフェアなミステリでした。ユーモラスでのんびりした筆致が楽しい。2017/01/15

おうつき

14
なんか昔に読んだような気がするのだが、内容はすっかり忘れてしまっていた。知人が殺人を犯したという内容の新聞記事を手に入れた海兵隊員だが、記事が千切れているせいで被害者が誰なのかが分からない。そこでタイトル通り被害者を探すことになるのだが、過去の記憶を手掛かりに事件の真相に迫っていくという趣向が面白い。主要人物達が勤める「家善協」のドロドロした内情の描写だけで、かなり読ませるストーリーになっていた。読者の側が被害者当てをするのは難しいが、手掛かりの配置は絶妙だった。2024/04/23

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