創元推理文庫
どこよりも冷たいところ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 474p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488153052
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

マンハッタンの建設現場で工具が頻繁に消え、さらにはクレーンの操作係が失踪する。疑わしい班長の素行調査を請け負った私立探偵ビル・スミスは、レンガ工として覆面捜査を開始したが、すぐに工員が瀕死の重傷を負う。ピアノを愛する中年の白人探偵と相棒のリディアが、こみいった事件の最深部に見たものとは?アンソニー賞最優秀長編賞に輝く、期待の現代私立探偵小説第四弾。

著者等紹介

直良和美[ナオラカズミ]
東京生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kyoko

18
再読。レンガ積みの描写が素晴らしく、本物をじっくりと見てみたいと思った。時間はかかるが正確にきっちりと作業をすると相棒に褒められていたが、まさにビルの捜査そのもの。自分のことを中年だ醜男だの言ってるけど、たぶん素敵な人なんだろうなあ。今回は景色とか背景の場面描写の素晴らしさに二度見、三度見することが多かった。よかった。2022/09/04

ほちょこ

15
4作目はスミスが主役。覆面捜査で職人(レンガ工)というのは、バレバレじゃないか?と思わせるが、意外にもそこから捜査は進む。ベタな推理捜査で、華もないが、そこがページをどんどんめくらせる。2016/07/21

Schunag

12
S・J・ローザンのこのシリーズは邦題の見事さで現代最高だと思っています。中でも本書、『NO COLDER PLACE』を『どこよりも冷たいところ』とするのはなかなかできないことですし、文字面としても、ひらがなと漢字のバランスのよさによって、可読性の高さ・リリシズム・リズムの歯切れのよさが達成されていて舌を巻きます。2018/06/07

Masa

12
読了。このシリーズにしては、ちょっと悲しい物語だったなぁと。まぁ、ビルが語り手の時点で、序盤からそういう予感がひしひしと伝わってくるわけですが。相変わらず飽きさせない物語の運び。ダレる部分が全くない。マラソンのようにラストスパートをかけて読み終えたくなる展開はうまいと思いますし、読後の満足にもつながります。しかし、リディアに変な男が言い寄らないかと、気がきじゃなかったです。こんなこと言うと、ビルと同様に怒られるのでしょうけれど。回を増すに連れて、ビルもどんどん魅力的になってきます。2017/01/24

tom

12
今回は、男探偵が主人公(女探偵と交互に主人公になるという変わった設定の探偵小説)。この主人公が事件解決の合間にピアノの練習をするのだけど、ここに登場する曲がスクリャービンの練習曲(187頁)。聞いたことがなかったものだから、ユーチューブで探したところ、なんとも恰好の良い曲。これが練習曲!という感じ。練習風景もなかなかよろしい。「楽譜を譜面台に載せ、音階や指慣らしの曲を弾いた。冷たい滑らかな鍵盤がほとんど感じられないほどに軽く指に従う。腕が、体が、響き渡る音につれて動いた・・・・。」なんて、(笑)。2012/07/23

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