創元推理文庫
マルタの鷹

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  • サイズ 文庫判/ページ数 345p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488130022
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

60
『ノワール小説講義』と『マルタの鷹講義』と読んでいて十数年振りに読みなおすことに。探偵もの短編を連載していた著者は「探偵ものお約束」を熟知し新たにハードボイルドものをこの作品で生み出した。正直後の娯楽小説と比べるとあっさりと物足りないところがある。だがアンダーステートメント(内面描写をしない、説明がなく読者に不親切)の手法は実に革命的だ。非情極まりなく行動的で利己的な主人公は、名シーンでの心の揺れを暗示される。また『講義』を参照しながら読み返したい。また新訳がいろいろあるようで読み比べたい。2016/09/24

ちえ

46
ハードボイルドの古典。1931年のサンフランシスコを想像しながら読む。V字モチーフの顔、円錐形を逆さにしたような体躯のサム・スペード始め登場人物の外見描写が興味深い。○、▽、□と図形が浮かぶ。純金の鷹を奪い合う話だが途中まで何が起きているのかわからなく読み進めるのはやや苦痛。作者ハメットの言葉「スペードにはモデルはいない。彼は私が一緒に働いていた私立探偵の多くがこうでありたいと願い、時にうぬぼれて少しは近づけたと思い込んだという意味で、夢に描いた男なのである。私立探偵(少なくとも私の10年前の同僚たち)↓2020/12/12

催涙雨

41
ハードボイルドものは基本的にチャンドラー以外読んだことがない。ハメットも初読。チャンドラーと違って軽妙でウィットに富んだ表現はあまり含まれない。三人称で書かれているせいか徹底して感傷的な面が除外されていて、そもそも主観的な性質を感じることがほとんどない。事件の過程では色事的な意味合いで人間味を感じる場面もあるが最終的には冷徹に実利を選択する“強さ”のようなものが大きく印象に残る。チャンドラーをはじめて読んだときのような衝撃はなかったものの、余計なものを一切排除した元祖ハードボイルド的な手法に没頭できた。2018/08/21

hope

23
美人秘書がタイプライターを叩く音、吸い殻のいっぱい詰まった灰皿、怯えた依頼人。── 映画も有名なハードボイルド・ノワールは、冒頭から衝撃の事件が起きる。依頼人に騙されても、見知らぬ男に拳銃を突きつけられても、淡々とやり過ごすスペイド。彼の一挙一動には、ボギーの面影が滲む。2020/10/09

背古巣

18
東西ミステリ100に入っていたので選びましたが、ミステリーというよりはハードボイルドですね。主人公のスペイドに感情移入することはできず、第三者的に読みました。最初は何がどうなるのかさっぱりわからない展開ですが、徐々に事件の様相がわかってきます。どちらかというとスペイドが自ら事件を解決していくというのではなく、事件の当事者がスペイドにいろいろとアクションを起こし、そこからスペイドがその精神力と行動力で解決に持っていくという感じでしょうか。個人の好みもあると思いますが、私としては中程度でした。2015/09/11

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