創元推理文庫<br> 試行錯誤

創元推理文庫
試行錯誤

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  • サイズ 文庫判/ページ数 523p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488123048
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

主治医から余命数か月と宣告されたトッドハンター氏は、命尽きるまでの短い時間の有意義な使い方を考えた結果、世に害を為す人物の抹殺に充てることにした。迷走の末ようやく標的を決定したものの、その死にまつわる過ちから裁判のため奔走する羽目に。おちおち死ぬこともできないトッドハンター氏を待ち受ける皮肉な運命とは。多重どんでん返しで読者を魅了するバークリーの到達点。

著者等紹介

鮎川信夫[アユカワノブオ]
1920年8月23日東京に生まる。早稲田大学英文科中退。詩、評論を発表、英文学の翻訳も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

51
動脈血瘤によって余命を宣告されたトッドハンター氏。余生を有意義に過ごすには何をすればいいのかと尋ねた所、見解が一致したのは「社会の害悪になる者を殺すこと」。かくして彼の被害者たるべき人物探しは始まり、証拠隠滅も図った殺害は成功する。ところがそのことで無罪の者が逮捕された。「これでは意味がない!」と思った彼は自分の有罪を証明すべく、周囲に協力を仰ぐが・・・。ある所で「あれ、これってもしかして・・・」と思っていたらラストで「やっぱり!」と天を仰ぐことに(笑)荒唐無稽さに耐えられれば、裁判所での一連は必見です。2014/01/14

ア・トイロッテ(マリポーサとも言う)(各短編の評価はコメントで)

21
★★★★8 2012年の復刊時に購入してから10年以上積読していたこの本を読了した。バークリーの代表作として名高いこの作品はたしかに傑作だった。自分の中で倒叙ミステリベスト10を組むとしたら、おそらく入ることは確定するであろう作品。この作品の主人公であるドットハンターは余命わずかの老齢であり、殺害動機がこの時代に書かれたミステリとしてはあまりにも特異的。実際殺人は起こり、法廷ミステリへ移行するが、ここでも一筋縄ではいかない流れとなっている。ラストで明かされた名前で、すでに前半で伏線があることに気付く。2023/05/12

hit4papa

21
余命を宣告され、余生を正義のために捧げようとする男の物語です。社会に害をなす毒婦を殺害したはずが、容疑者は別の人物。自分が犯人であることを必死に訴えます。自分を絞首刑にするために、探偵を雇うという逆転の発想が面白い。丁々発止の法廷シーンもあって、ユーモラスでシニカルなストーリー展開に、見所はしっかり用意されています。

kyoko

16
今回も騙されないぞ、と思いながら。でも途中、自分の有罪を立証する裁判の場面がもう頭が混乱する様相をなし、判断とか推理とかから離れて純粋に双方のやり取りを楽しんだ。しかしラストに向けて、まだ何かある、まだ何かあると信じて読んでいたけど…まさかまさかの展開がラストで待っていて…救われました、わたし自身は。ということで市立図書館にあるバークリー著作10冊を読み終えたので、残りは県内他市からの取り寄せ本を待ちます。いったん休憩。ああ、面白かった。2021/10/01

Ribes triste

15
大動脈瘤で余命宣告をされたトッドハンター氏。結婚もせず、身内もいない彼は、死ぬまでに自分が世の人のために出来ることを考えるのですが…。ちょっとひねくれているけれども、お人好しなトッドハンター氏がいい。まさかの展開に驚きましたが、大作です。2018/09/22

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