創元推理文庫<br> ポンド氏の逆説 (11版)

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創元推理文庫
ポンド氏の逆説 (11版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488110093
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっぴー

54
上官に絶対服従したから命令が執行されなかった/意見が一致したから殺された/好ましい人だから追放する/のっぽだから目立たないーー言い間違いではございません。奇妙な話、へんてこな状況を理論立てて説明してくれるのがポンド氏です。既成概念で凝り固まった脳味噌を、ポンド氏に柔らかくしてもらいたい方にオススメです。作品中群を抜いていたのが『愛の指輪』これは凄い。パーティーでホストの指輪が紛失。この指輪に隠されたロマンティック過ぎる秘密とは…こんなんされたら、惚れてまう(///∇///)2016/04/18

Tetchy

5
逆説の大家チェスタトンが逆説をテーマに書いた短編集。面白くないわけがない!のっぽだからかえって目立たない?双方が意見が一致したので、一方がもう一方を殺した?といった意味不明な逆説が見事に解かれるから素晴らしい!2008/09/26

MIRACLE

3
英国政府で働く主人公・ポンド氏が、矛盾する状況が、いかに矛盾することなく、成り立ちえたかを、鮮やかに披露していく、連作推理短編(全8話)。まず、主人公は、逆説を一般論のかたちで提示する(この時点では、逆説ではなく、単なる矛盾)。その逆説を、事件の解明をとおして、例証する(訳者解説より)。「博士の意見」「愛の指輪」など、矛盾が逆説に変わる過程が、すばらしい。通常、推理小説の謎は、最終的に謎を解くのであるから、厳密にいえば、謎ではない。それに対して、矛盾は、形式的には完璧な謎であり、究極の謎といえる。傑作。2014/02/06

2
「逆説」縛りの短編集であります。上官の命令に忠実に従う部下ばかりだったから命令は実現しなかった、完全に意見が一致したから殺した、好ましい人物だから追放する等々、あれやこれやの逆転の論理。怪事件の謎を解くというよりもいかにして「逆説」が成り立ったかをポンド氏が解説するという展開でして、物語性は薄め、全体に推理パズル集といった印象。ブラウン神父シリーズの生みの親チェスタトンも「逆説」縛りはさすがに厳しかったのか、バカミスまがいな真相もちらほら。大仕掛けはないものの、『三人の騎士』『愛の指輪』が秀逸。星4つ。2018/02/03

Inzaghico

2
辻褄が合わないように思われるポンド氏の発言も、ちゃんと最後まで聞くと筋が通っている。ポンド氏の相棒の気のいいアイルランド人ガヘガン、そしてウォットンがいるので、なおさら物語が面白くなる。とくにガヘガン。女好きだけど意外と惚れた女には一途、粗野だけど正直、と味のある人物だ。 「名前を出せぬ男」の名前を出せぬ男がすごい。というか、名前など必要ない人生を送ってきた男、というべきか。新政府の役人も手出しができない男とはいったい誰か。そしてこの名前が出せない男が実に優雅で魅力的。 2017/11/13

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