創元推理文庫
ブラウン神父の知恵

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  • サイズ 文庫判/ページ数 328p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488110024
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

105
短編集なので、合間にちょこちょこ読んだ。というのも一つ一つのミステリがなかなか味わい深く、次々にいくのが勿体なかったからだ。一作目よりもブラウン神父がするどく少し怖くなっている気がする。それと神父である必要性に疑問も。最初の「グラス氏の失踪」、それに「通路の人影」、最後の「ブラウン神父の御伽話」が特によかった。2016/03/24

セウテス

54
ブラウン神父第二弾。一作目とは少し赴きが変わり、トリックのインパクトより結末に重点を持って来たように感じます。とは言っても、機知とユーモアに包まれた展開には驚かされます。この作品は色々な皮肉や警句を含んだ短編集です。「グラス氏の失踪」は、人間消失物の今では基本的なトリックですが、そこに権威ある専門家の自信を皮肉っています。「通路の人影」は、己に見栄を張らない神父だけが真実を見えるトリックを、「器械のあやまち」は、機械が素晴らしくても扱うのは人間である事に警笛を鳴らします。その他も粒揃いの珠玉の作品集です。2015/01/17

ジャムうどん@アカウント移動してごはんになります

44
ブラウン神父シリーズ2作目です。相変わらず、ゆるゆるとした見た目からは想像もつかないようなキレる推理が光ります。犯人も気が付かぬ間に背後にぬるっと迫るブラウン神父、たまりません・・・。個人的には童心の方が好みですが、知恵もお見事でした。良くも悪くもこのシリーズはトリックの教科書ですね(笑)お気に入りは「グラス氏の失踪」「通路の人影」「銅羅の神」「器械のあやまち」。トリックもああすごいなぁとなるのですが、ちょこちょこ挿まれるちょっとした皮肉ににやにやし通しでした。2015/08/06

コジ

30
★★★★☆ チェスタトンのみミステリー短編「ブラウン神父」シリーズ。「木曜日だった男」の詩的で大仰な表現を気に入っていたので、あのダサかっこいい表現を味わえるかと読んでみた。たしかに詩的で大仰な表現はあるがそれほど多くない印象。それよりも、短編ミステリーとして完成度の高さが際立った。短編ミステリーにありがちな駆け足でミエミエの謎解きではなく、各話直球あり、どんでん返しありの謎解きで短編とは思えない濃密さ。また、ブラウン神父の軽いおとぼけキャラもシリーズ化に一役買ったに違いない。2019/10/30

hanchyan@連戦連勝の前には必ず負けがある

29
迷妄に混沌とする頭に理知の光を。というわけでブラウン神父にご登場頂きました。歴史的な傑作ってのと比べると、やたら地味なはなしが続くシリーズ2作目の本巻ながら神父のキャラ描写が滋味。神父ったら。どこにでも現れて訳知り顔て。猫か(笑)。横溝翁の得意なアレ(ネタバレか?ネタバレか!?(笑))が目立つ印象で、語り口ひとつでこれだけ読み味が違うのか!と呻った「ヒルシュ博士の決闘」と「紫の鬘」、少女の冒険譚・成長譚を見つめるシニカルかつ暖かな視線が印象深い「シーザーの頭」。あ、「通路の人影」は歴史的傑作らしい(笑)。2015/07/02

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