創元推理文庫
ブラウン神父の童心

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  • サイズ 文庫判/ページ数 356p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488110017
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

217
小柄で丸顔の神父がボロ傘を持っていたらそれはブラウン神父だ(何て判りやすい!)。そして人間喜劇のヴォートランや、怪盗ルパンとも重なるフランスの悪党フランボウ…この巨漢が、初めのうち小さな神父にぐうの音も出ない程やっつけられる。それが少し可哀想に思えるのは、たぶん作者の狙い通りなのだろう。ブラウン神父はあくまでフランボウを改悛させようとし、結局はよき相棒として「この世に唯一の友」と呼んでいる。それは、もしかしたら、初め英国国教会の洗礼を受け、後にカトリックに改宗したという作者の宗教観に通じるのかも知れない。2022/05/08

とよキチ

90
G・K・チェスタトン初読み。奇想天外なトリック、痛烈な諷刺とユーモア、独特の逆説と警句。シャーロック・ホームズものと双璧をなす短編推理小説の宝庫。◆要約すれば極々シンプルなトリック・構成だが、読後感はかなり重たかった。抽象的な表現が多く読みづらいが、嵌ればとてつもない衝撃を感じられる。ただ、理解できなかった作品もあったので、再読してみたい。2012/12/15

Tetchy

76
全てが傑作といえる短編集。『シャーロック・ホームズの冒険』よりもこちらの方が好き。「秘密の庭」であっと驚かされてからは、「奇妙な足音」、「見えない男」、「イズレイル・ガウの誉れ」、「神の鉄槌」、「アポロの眼」、「折れた剣」とノンストップ。しかし訳はどうにかならんかな~。2008/09/23

ケイ

60
正統派古典推理小説という感じ。職業探偵ではなく、神父さんが推理していく。妙な証拠が引っかかり解決に繋がるという最近の犯人探しとは違い、人々の心理や整合性などから推理する。また道徳観が随所に見られるのも特徴。2014/06/13

藤月はな(灯れ松明の火)

58
個人的にはトリック云々より、調子のいい小悪党、フランボウと探偵、ブラウン神父の人生への皮肉と哲学を交えたやり取りが小気味がいいです。特に既読でもあり、オカルト宗教を描いた『アポロンの眼』の苦い真相は今も印象的です。2014/02/05

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