感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
72
これが国名シリーズの中でも傑作中の傑作と言われているミステリーなんだと思うと、読み終わってしまうのが大変惜しまれました。連続殺人、それも惨殺、怪しげな狂人まで登場させて、充分に楽しめる要素満載でした。しかし、個人的には不満な点があるんです。この表紙と題名に、エジプト好きな私は多大なる期待をして、物凄く楽しみにしていたのですが、エジプトが舞台じゃないという事を読んでみて初めて知りました。ピラミッドは、スフィンクスは、王家の谷は、どうして登場しないのかとしょげかえってます。2012/06/21
雪紫
61
文庫にて再読。こうして国名シリーズすべて読んだ後に再読すると(ニッポン樫鳥除けば)一番「国名」付いたタイトル合ってるのでは・・・(犯人そこまで考えてないと思うけど)。ある意味ラストまで読むとピッタリ。真相覚えてる再読だったから、エラリーがやたらとエジプト十字架にこだわってるの迷走にしか見えなかったのに・・・。後余計な容疑者多過ぎじゃない。とかチェッカーいまいちわからんと思ってても、それでも段々わかってく過程と追跡、犯人限定のロジックには興奮しちゃう。2023/11/20
goro@80.7
58
「読者への挑戦」への章になってもさっぱり犯人は分からなかった。犯人はいないのかと…。最後の殺人でクイーン自身も謎が氷解したのだろうか。つい当たり前に行ってしまった行動が命取りか。首を切り落とされてT字に磔にされるとういおぞましい連続殺人事件でありました。嵐のような雨の中、オープンカーであるデューセンバーグをレインコートで走り切るクイーンの追跡劇がラストを彩る。いやぁ堪能したエラリー・クイーンでありました。お見事です。2022/04/22
優希
47
出だしから派手なのに戸惑いました。首なし死体が出過ぎでしょう。だからこそ色々なトリックがあるのですね。謎が解けたときはスッキリしました。面白かったです。他の国名シリーズも読みたくなりました。2023/04/06
藤月はな(灯れ松明の火)
42
故、辰巳四郎氏が担当した表紙にはピラミッドがありますがピラミッドは一切、関係ありません(笑)生を象徴するエジプト十字架のように磔にされた死体には頭がなかった・・・。エラリーはだらだらと関係を続ける男女ばかり遭遇しているような気がします。磔になった首無し死体を「実に面白い」とエラリーに来るように電報を打ち、犯人捜索を「歴史研究の方が面白い」というヤードリー教授の灰汁の強さが中々、面白いです。個人的にはアイシャム地方検事とヴォーン警視、警視が義憤に駆られた時に声援と喝采を贈ったお茶目な刑事さんたちが好きです2013/02/08