創元推理文庫
グリーン家殺人事件

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  • サイズ 文庫判/ページ数 467p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488103033
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ニューヨークのどまんなかにとり残された前世紀の古邸グリーン家で、2人の娘が射たれるという惨劇がもちあがった。この事件を皮切りに、一家の皆殺しを企てる、姿なき殺人者が跳梁する。神のごとき名探偵ファイロ・ヴァンスにも、さすがに焦慮の色が加わった……。1ダースにのぼる著者の作品中でも、1、2を争うといわれる超A級の名作。

著者紹介
S・S・ヴァン・ダイン
アメリカの作家。1887年生まれ。本名はウィラード・H・ライトといい、 美術評論家として一家を成していたが、 病気療養中に二千冊の推理小説を読破し、 自らS・S・ヴァン・ダインの変名に隠れて創作の筆をとった。 学究肌の探偵ファイロ・ヴァンスの登場する十二の作品は、 すべて本文庫に収録されている。 『グリーン家殺人事件』 『僧正殺人事件』 を頂点とする心理的探偵法で一世を風靡した。 1939年歿。

井上勇(イノウエイサム )
1901年広島県生まれ。1923年、東京外国語学校(東京外国語大学)卒業。翻訳家。1985年歿。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

239
★★★★★ 推理小説界に燦然と輝く名作。 良くある「怪しい一族物」の1つなのだが、終盤にヴァンスが事件の重要ポイントを80個近く列挙してくれるフェアプレーぶりが熱い。 前2作と比べてヴァンスが真相にたどり着くのに苦労している分、読者が置いてけぼりにされることもなくなったのが好ポイント。 沢山殺されるので最後には犯人は実質2人に絞れるのだが、それでも初読時は見抜けなかった思い出あり。 ヒース部長は、前作までのスーパー無能ぶりが少し改まった気がして良かった(笑)2020/04/12

KAZOO

134
最近のミステリーに慣れた読者からはかなり厳しい批評があるのではないかと思われます。私はこの作品を最初に中学時代(今から50年以上も前ですが)に読んでかなりヴァン・ダインという作家の作品をすべて読んだ覚えがあります。彼の作品の中ではベンスン、僧正と並んでベストスリーだとは思います。当時(1928年)これだけの書いたというのはかなりなものだと思われます。いま読み直すと若干突っ込みどころなどがあるのですが。2017/10/26

W-G

110
僧正を再読した勢いでグリーン家も。やっぱりこの雰囲気が好き。 記憶の中でかなりYの悲劇とごっちゃになってて「あれ、ここはこういう流れじゃなかったっけ?」と感じる事が多かった。お陰で新鮮には読めた。 しかし、現代のアメリカだったらバーナビーロスさんはヴァンダインさんに訴えられてしまうのでは? とにかくグリーン家も大好きです。日本の作家と違ってこういう家族内の話にエロが絡んでこないのって今読むと新鮮ですね。医者がスケベっぽく描かれてるけど2016/02/05

bookkeeper

90
★★★☆☆ 初読。ニューヨークの名家グリーン家を舞台にした連続殺人!名探偵ファイロ・ヴァンスは姿なき犯人を突き止める事が出来るか?  関係者が次々と倒れていくなか、自然と容疑者が絞られていく訳だが、それでも最後の種明かしでどれだけ読者を驚かせるかが腕の見せ所。その後のミステリの進化で、今の目でどこまで通用しているか正直微妙な感もあるが、少なくともフェアを目指す姿勢は好印象です。ヴァンスが事件の要点一覧表を100近い箇条書きにしており、真相に至る正しい順序が最後の原注で示されるのだが、正直追いきれない…。2020/08/27

とよキチ

89
S・S・ヴァン=ダイン初読み。素人探偵ファイロ・ヴァンスが活躍する12長編の内の3作目。次作の『僧正殺人事件』と双璧をなす氏の最高傑作◆陰惨なスリルが漂う館の雰囲気・非常に丁寧なストーリー運び・条件を列挙する推理方法には、本格古典作品の良さを感じました。しかしながら、読了後は腑に落ちない感じが拭えなかった。調べてみると『ヴァン・ダインの二十則』や『Yの悲劇』との比較など、面白そうなフレーズが…歴史的に意義のある作品であり、これから推理小説を読んでいく上での通過点として捉えたい。2013/01/05

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