残照―アリスの国の墓誌

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残照―アリスの国の墓誌

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488027605
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

アニメ、マスコミ関係者の集う、新宿ゴールデン街のバー『蟻巣』。ミステリ好きの客たちがあれやこれやと推理を語り明かした日々も今や昔、ついに閉店の日を迎える。鍵の返却までのわずかな時間、常連客たちは、チェシャ猫をなでながらパイプを燻らせていた、在りし日のマンガ家・那珂一兵の姿を思い出す。その一兵が遭遇した二つの事件を、別れの酒の肴に語り始め彼らがたどり着いた、衝撃の真相とは? 近江由布子、新谷知久、可能克郎と辻ミステリのオールスターキャストで贈る推理作家協会賞受賞シリーズ最終作。

辻真先[ツジマサキ]

内容説明

新宿ゴールデン街に店を構えるバー『蟻巣』。ミステリ好きの客たちが夜な夜な推理を戦わした日々も今は昔、ついに閉店の日を迎える。大家に鍵を返却するまでのわずかな時間、ママの近江由布子と常連客たちが思い出すのは、看板猫・チェシャをなでながらパイプをくゆらせていた物静かな巨匠、やはり常連客だった今は亡きマンガ家・那珂一兵の姿―。別れの酒の肴にと語られた、一兵が遭遇したというふたつの衝撃的な事件の経緯と真相とは?『蟻巣』閉店までの数時間を昭和のマンガ・アニメ史とともに描く本格ミステリ。日本推理作家協会賞受賞の『アリスの国の殺人』より35年、辻ミステリの集大成!

著者等紹介

辻真先[ツジマサキ]
作家、脚本家。1932年愛知県生まれ。名古屋大学卒。アニメや特撮の脚本家として活躍しながら、72年『仮題・中学殺人事件』でミステリ作家としてデビュー。82年『アリスの国の殺人』で第35回日本推理作家協会賞、2009年に牧薩次名義で刊行した『完全恋愛』で第9回本格ミステリ大賞を受賞。08年には、第61回中日文化賞と第11回文化庁メディア芸術祭功労賞も受賞している。デジタルハリウッド大学名誉教授としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雪紫

47
再読。「アリスの国の殺人」以来辻さんおなじみのミステリ好き憩いの場「蟻巣」が時の流れで閉店。閉店パーティーも終えた後に今は亡きあのひとを偲び常連達が昔の事件を謎解きすることに。事件が起きたふたつの時代には産まれてすらいないのに何処かノスタルジーと寂しさを覚える。老齢に差し掛かりポテトとスーパーのシリーズや色んなシリーズを終えた辻さん。蟻巣の物語が終わっても何処か彼ららしい引きと寂しさを感じる。2020/12/11

へくとぱすかる

42
「アリスの国の殺人」から35年。シリーズ終幕を飾る作品。大晦日に読むのにふさわしいミステリだろう。とはいえ、前作を読んだのが昨年の8月なんですが(笑)。1946年と1966年という二つの過去と、2015年とが交錯するストーリー。一生を股にかける時間スケールに圧倒されるし、アニメやマンガという辻ワールドもからんで、まさに作者にしか書けない作品だと思った。2017/12/31

こうちゃ

19
☆3 新宿ゴールデン街に店を構えるバー『蟻巣』がついに閉店の日を迎える。大家に鍵を返却するまでのわずかな時間、ママの近江由布子と常連客たちが思い出すのは、看板猫・チェシャをなでながらパイプをくゆらせていた物静かな巨匠、やはり常連客だった今は亡きマンガ家・那珂一兵の姿―。別れの酒の肴にと語られた、一兵が遭遇したというふたつの衝撃的な事件の経緯と真相とは?昭和のマンガ・アニメ史とともに描くミステリ。名探偵コナンの脚本を手掛けているという著者。確かに、相手を思うあまりに哀しい結末が訪れるパターンは同じだった。2016/07/01

遊々亭おさる

18
新宿ゴールデン街の片隅で、酒とマンガとミステリをこよなく愛する常連客が推理合戦をこうじながら細々とその歴史を紡いできたバー『蟻巣』も寄る年波には抗えず、とうとう閉店の日を迎えた。寂寥の念と共に彼らが最後の推理に挑むのは、常連客だった今は亡き漫画化が遺した奇妙な二つの事件…。著者の辻真先さんや作中の登場人物と共に人生の終盤に漂うノスタルジックな感傷を味わうための一冊といった風情。本シリーズの愛読者でなければ置いてきぼりをくらう気もしますが、反戦への思いは死を見つめている著者の遺言として心に刻もうと思います。2016/08/04

Syo

17
辻真先。 ずぅ〜っと前から知ってる。 サザエさんの脚本。 この人の時は、 なんだか後味が悪い っていう記憶が…。 これは、ミステリ。 いいのよねぇ〜。 凄いぜ。2016/06/16

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