内容説明
犀利な推理力を発揮する噺家と女子大生の名コンビ。痛快な論理展開の妙を満喫させる連作長編。
目次
織費の霊
砂糖合戦
胡桃の中の鳥
赤頭巾
空飛ぶ馬
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クリママ
49
表題作含む5編の短編。20年以上前の作品集。ミステリーだが、事件、殺人ではなく、日常のちょっと不可解な出来事の謎を解いていく。女子大生の主人公が、ひょんなことからゼミの教授を通し、ファンである落語家と出合う。当時の女子大生はこんなに博識だったのかと唸るほど文系知識に詳しく、また、落語家もそれ以上に博識、そして、観察力が鋭い。女子大生が落語家に謎の解決を持ち掛け、落語家が見事に解き明かしていくというワトソン-ホームズなのだが、ユーモアのある語り口と穏やかさの合わさった快いミステリーだった。2022/12/07
まる
21
『和菓子のアン』のレビューにて、「この類いの日常ミステリーは北村薫に限る」といった感想を見かけて以来、気になっていた作品。自分の住む町でも、気付かないだけで小さな事件は起きているのかな、と思いながら楽しく読了しました。少しずつ、読み進めていきたいシリーズです。2015/08/06
チガ
21
日常の謎です。インスタントカメラとか、携帯が出てこないのが時代を感じます。出版年、私が生まれた翌年ですし。謎となる部分までの前ふりがやや長い印象でした。その割に解決はあっさりと終わってしまいましたね。探偵役の円紫さんの印象そのままの穏やかな文章でした。2012/06/15
浅見ヨシヒロ
14
ほのぼのとしたミステリだったかな。落語とかの知識が無いから途中わけ分からなかったけど(*´ω`*)2014/08/19
punto
10
日常のミステリ。北村さんは初読みですが、なかなか面白かったので、このシリーズをもう少し読んでみたくなりました。本好きの女の子に自分を重ねて読みました。「赤頭巾」で終わらず、「空飛ぶ馬」でほんわか終わってくれたのがとてもよかったです。2014/10/06