東京創元社・ミステリ・フロンティア
ヘビイチゴ・サナトリウム

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488017019
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

中高一貫教育の女子校の屋上から、高3の生徒が墜死した。様々な噂が飛び交うなか、男性国語教師も屋上から墜死する。二人の死の真相は?小説家志望の彼は、死んだ女生徒と協力しあって書き上げた作品の新人賞受賞を死の直前に辞退していた。ある雑誌で作品中の文章と同じ文章を発見したからだ。なぜ、そんなことになったのか?その文章の真の作者は誰なのか?女生徒の登場する原稿、しない原稿、P・オースターの小説『鍵のかかった部屋』…錯綜するテキストと教師の自殺した妻が残したネット・サイト「ヘビイチゴ・サナトリウム」に隠された秘密とは?そして浮かび上がる密室殺人。詩人である作者の独特な言語感覚に彩られた、見事なミステリ・デビュー作。

著者等紹介

ほしおさなえ[ホシオサナエ]
詩人・作家。「大下さなえ」の名で、詩集『夢網』(思潮社)、詩画集『くらげそっくり』(西岡千晶との共作・青林工芸舎)など。ほかに、「群像」(講談社)、「すばる」(集英社)などに小説を発表
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mocha

95
詩人として活躍していたほしおさなえさんのミステリデビュー作。中高一貫の女子校で次々と起こる墜死事件。教師と二人の少女が真相究明に乗り出す。少しずつ明らかになる意外な背景に推理が二転三転する。幾重にも入れ子構造になった構成と、まだこなれていない文章のせいでとてもまだるっこしい。人がたくさん死ぬわりに動機が弱い気もするし…。この後本格ミステリから路線変更したのは正解だったかもしれない。2016/11/24

TANGO

38
図書館本。ほしおさなえ初読。語り手がくるくると変わり、意識が散漫になったせいか、ミステリとしては、やや不完全燃焼な印象。温度は伝わりにくいけれど、たまに反射する光に目を奪われるような、ガラスの温室を覗いている感じは、思春期をよく表してると思った。2015/02/23

hirune

36
人を繰って行動を支配するのが巧みな女子高校生のサイコパス しかも破滅型で自らも自殺してしまうハルナが引き起こす連続墜死事件?でも もしや生き残った人に本当の黒幕がいるのでは?この本にはスッキリした結末はありませんでした。誰が誰を繰っていたのか?どの墜死が自殺でどれが他殺か?はっきりしない。。そもそも探偵役の人たちも結局繰られていて 真相は判明は不可能なのではないか?怖い怖い(^◇^;)考えさせられる一冊でした。2018/08/19

🫧

22
★海生と双葉の所属する美術部のハルナ先輩が学校の屋上から飛び降り自殺した。しかし二人はその死に疑問を持つ。以前には、美術部のもう一人の先輩である梨花子も飛び降り自殺している。ハルナの死後、国語科教師の宮坂と交際していたとの噂が回る。宮坂はハルナと小説を書いていたが、おなじ文章が雑誌から発見される。その後宮坂も飛び降り自殺してしまう。 *とにかく死ぬ人が多い…登場人物も多く、途中は混乱してしまった。著者は詩人でありミステリーは初めてのようで読みにくい部分もあったが(ミスも発見)ストーリーは面白かった。2016/01/20

朱音

19
舞台は現代日本で文章も平易、なのにどうしてこんなに解りにくいミステリなんだろう?語り手=視点が交代するのは作法としてアリなのだろうし、読者を混乱させると云う効果もあるのかもしれない(それならとても効果的だ)登場人物の名前も難解ではないのになぜか苗字と名前がするっとつながらず「これ誰だっけ?」と思う事が何度も。私だけかもだけど。ストーリー以外の部分で苛々したことは否めない。青春のもやもや感がうまく表現されていてなんともいえない魅力はあると思う。でも再読はしないぞ、たぶん。2010/11/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/513425
  • ご注意事項