失われた手稿譜―ヴィヴァルディをめぐる物語

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失われた手稿譜―ヴィヴァルディをめぐる物語

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488010782
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

出版社内容情報

『四季』で知られる作曲家ヴィヴァルディは、晩年、多額の借金を抱えたまま、旅先で死亡した。残された家族は債権者に追われ、兄の遺品を処分、以来200年近く闇に消えていた自筆楽譜だったが、1920年代にトリノの図書館長はある神父から買い取りを持ちかけられる。しかし、それは全体の二分の一でしかなかった。数奇な運命をたどった楽譜の謎を綿密な調査研究によって明らかにした、ミステリにも似た読み応え十分の傑作ノンフィクション・ノベル!

フェデリーコ・マリア・サルデッリ[フェデリーコ・マリア・サルデッリ]
著・文・その他

関口英子[セキグチエイコ]
翻訳

栗原俊秀[クリハラトシヒデ]
翻訳

内容説明

作曲家ヴィヴァルディの自筆楽譜がたどった数奇な運命!愛書家の貴族から無知な修道士、ユダヤ人音楽学者、そして親ファシズムの詩人エズラ・パウンドまで…様々な人間が、その運命には関わっていた!2015年ジョヴァンニ・コミッソ文学賞(小説部門)受賞。

著者等紹介

サルデッリ,フェデリーコ・マリア[サルデッリ,フェデリーコマリア] [Sardelli,Federico Maria]
1963年イタリア中部トスカーナ州リヴォルノ生まれ。父親は画家。11歳で作曲を始め、12歳で風刺雑誌に漫画を寄稿するようになり、同誌の看板作家の一人として活躍中。哲学を学んだのち、バロック音楽のオーケストラ、モード・アンティクオを創設、指揮者となる。フィレンツェの音楽アカデミーでリコーダーやフルートの指導にあたり、音楽学者、研究者としての業績に対する評価も高い。作曲家、指揮者、学者、画家、版画家、漫画家…等、その活躍の幅広さは、まさに鬼才の名にふさわしい

関口英子[セキグチエイコ]
イタリア文学翻訳家。大阪外国語大学イタリア語学科卒業。『月をみつけたチャウラ ピランデッロ短篇集』で、第1回須賀敦子翻訳賞受賞

栗原俊秀[クリハラトシヒデ]
1983年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程を修了後、イタリアに留学。カラブリア大学文学部専門課程近代文献学コース卒業。2016年、カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』の翻訳で、第2回須賀敦子翻訳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

99
ヴィヴァルディという人物についてはあまりというかほとんど知りませんでした。私は彼の音楽が好きでCD全集も持っていて、読書などをしているときに聴いてたりします。その音楽家についてほぼ事実なのでしょうが、彼の手稿譜をめぐるある意味ミステリー仕立てにしてくれて楽しませてくれました。いい本だと思います。2018/12/13

Willie the Wildcat

60
苦行かと思いきや思いのほか堪能。様々な欲が交錯するも、その芸術性を讃え公共性を保つことができた経緯が秀悦。世紀を超えた評価と不変の人間の欲望、加えて、2人の”小さな天使”などの奇跡の数々も運命。但し、Bottomは「聖書112:6」、とこしえの記憶也。弟フランチェスコ、ジェンティーリ教授などの持つ”純粋性”も繋がっている。出展注記はメチャ重要という感。特にヴィヴァルディ音楽の一節の件ですね。正直、頭に浮かぶのが、小学校の掃除の時間に流れていた『四季』のみ。これまで以上に、芸術に感謝して堪能すべきと自省。2018/10/04

nobi

57
ヴィヴァルディの生きた18世紀と手稿譜存続に危機迫る20世紀が交互に現れる章構成に戸惑いもしたが、手稿譜を巡る映像と正邪間の血気盛んで機知溢れる応酬が迫ってくる。そこから修道会の司祭にも邪が多いことを後世が正のお陰を被っていることを知る。そんな物語に併せてヴィヴァルディの曲を聴いてみると邪は感じず “劇的であると同時に晴朗”。「エピローグ」では終止符に向かわず当地でもユダヤ人排斥が始まった頃の“身の毛もよだつ”ような物語が展開。そんな色濃い作品を生むサルデッリはバロック演奏の楽団も率いる。そのパワー凄い。2024/04/06

星落秋風五丈原

42
うまくいえないのですが、もっと真面目に読みたかったなぁと。ノンフィクションに思えなかったです。個人の好みによるものだと思います。テーマ自体は面白かったです。2018/04/17

小太郎

21
赤毛の司祭と呼ばれ有名な四季を作曲しバッハにも影響を与えたといわれるバロック最高の作曲家のひとりアントニオ・ヴィヴァルディ。行方不明になっていた彼の自筆楽譜にまつわる興味深い話でした。まず作者サルデッリのヴィヴァルディに対する思い入れに驚きました。綿密で膨大な資料と調査に裏付けられた内容は壮大なミステリのように話が繋がっていき、映画を見ているような感じさえします。前に読んだ大島真寿美の「ピエタ」を思い出しました。2018/10/29

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