戦地の図書館―海を越えた一億四千万冊

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  • サイズ B6判/ページ数 257,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488003845
  • NDC分類 010.253
  • Cコード C0022

出版社内容情報

第二次世界大戦中、アメリカの図書館員たちは全国から寄付された書籍を兵士に送る図書運動を展開し、軍と出版界は新しい形態のペーパーバック「兵隊文庫」を発行して、あらゆるジャンルの本を世界の戦地に送り届けた。その数、およそ一億四千万冊。本のかたちを、そして社会を根底から変えた、史上最大の図書作戦の全貌とは? ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーの、絶賛を博したノンフィクション! 「兵隊文庫」の全作品リスト付。

モリー・グプティル・マニング[モリー・グプティル・マニング]

松尾恭子[マツオキョウコ]

内容説明

第二次世界大戦終結までに、ナチス・ドイツは発禁・焚書によって一億冊を超える書物をこの世から消し去った。対するアメリカは、戦地の兵隊たちに本を送り続けた―その数、およそ一億四千万冊。アメリカの図書館員たちは、全国から寄付された書籍を兵士に送る図書運動を展開し、軍と出版業界は、兵士用に作られた新しいペーパーバック“兵隊文庫”を発行して、あらゆるジャンルの本を世界中の戦地に送り届けた。本のかたちを、そして社会を根底から変えた史上最大の図書作戦の全貌を描く、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーの傑作ノンフィクション!

目次

第1章 蘇る不死鳥
第2章 八十五ドルの服はあれど、パジャマはなし
第3章 雪崩れ込む書籍
第4章 思想戦における新たな武器
第5章 一冊掴め、ジョー。そして前へ進め
第6章 根性、意気、大きな勇気
第7章 砂漠に降る雨
第8章 検閲とフランクリン・デラノ・ルーズヴェルトの四期目
第9章 ドイツの降伏と神に見捨てられた島々
第10章 平和の訪れ
第11章 平均点を上げる忌々しい奴ら

著者等紹介

マニング,モリー・グプティル[マニング,モリーグプティル] [Manning,Molly Guptill]
ニューヨーク州ラッサムで育つ。ニューヨーク州立大学オルバニー校で米国史を学び、2002年にイェシーヴァー大学ベンジャミン・N・カードーゾ・ロースクールに入学。その後、第二巡回区連邦控訴裁判所で弁護士を務めるようになる。2012年にThe Myth of Ephraim Tutt:Arthur Train and His Great Literary Hoaxを発表

松尾恭子[マツオキョウコ]
1973年熊本県生まれ。フェリス女学院大学卒。英米翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

178
ペンは剣よりも強い。と言ったのは誰だったろうー『この戦いにおける武器は本であることを知っている』そう言い切ったルーズヴェルト大統領に敬意を。そして集めた図書館員にもだ。ナチスの焚書から始まるノンフィクション。しかもカタカナが多い(汗)だが、読んで良かった。逆にこんな国と戦ったんだなぁと感慨を・・本は凄い。確かに本に救われている自分が居るのだ。2017/01/17

KAZOO

152
戦争当時のことをドキュメントとして本がいかに戦場における兵士たちの心の栄養となったかが書かれています。確かにヒトラーはかなり焚書をしたということでは、本の持つ力というものを重視していたのでしょう。いろいろありますがやはりアメリカというのは多民族国家でかなり懐が広いということを感じます。日本の翻訳文化にも影響を与えたのでしょう。2018/10/08

jam

123
ナチスはナチズムの思想に合わない1億冊を焚書とした。一方、アメリカは1億4千万冊の本を戦地に送り続けた。一歩外へ出れば銃弾が飛び交う塹壕で、今日、命が奪われるかもしれない現実の中で、兵士は本を求め読み続けた。戦地で読むために丈夫な特別仕様にしたそれは「兵隊文庫」として、肌身離さずボロボロになるまで読まれていたという。そのアメリカも占領下の日本で焚書を行った。智とは何だろう。智を恐れるものは、智の力を知っている。「本を焼くものはやがて人を焼く」と書いたのはハインリヒ・ハイネだ。智は希望でなければならない。2016/08/29

ケイ

119
酷評してしまいます(≧∇≦*) 戦地にいる若者に、いかにもアメリカらしく、若者の心を高揚させる本を現地におくったという話だよね。そして、その事にフォーカスするより、ドイツのしたことを非難し、自国の礼賛。うまく書けないが、これはダメだし、わざわざなぜ日本語にまでなったのか。マイナスな言葉と図書館を合わせることで、効果を狙った作品が最近目立つのでこれからは買う前に注意しようと思う。2020/04/12

Willie the Wildcat

91
思想戦の一環の焚書。文化改変の手始めが図書館。一方、兵士の士気向上は文字。文化の源流。焚書vs.VBC、見えざる”大戦”の火蓋が切られる。目標1000万冊。印象的なのが、日系人収容所にも本を寄付したコナー氏。文字の持つ不変の価値観。人種や文化を超えた魔法!対照的な検閲。1つ間違うとやってることはゲッペルスと同じ。無私の作家の心意気は踏み躙って欲しくないなぁ。因みに日本語版は予算の関係で出版できなかったようだが、もし出版されていたら、やはり日米文化交流に寄与したのではないかと推察。甘いかなぁ・・・。2017/04/25

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