内容説明
なんということもない平凡な一枚の白い紙。きわめて普通の出来ばえをした一本の鉛筆。そして30センチほどの長さの、これまた平凡な一本の定規。この三点を机の上に並べると、そこには人間の文明のすべてがある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青豆
20
机の引き出しには溢れんばかりの文房具がある筋金入りの文房具好きである。文房具は見るのも楽しいし、使うのも楽しい。だからついつい買ってしまう。本作はそんな文房具好きを唸らせるエッセイ集。万年筆、手帖、ノート、鉛筆、消しゴム、ダイアリー、インデックス・カード、押しピン、タイプライターなど、文房具の数々が愛情に満ちた文章とカラー写真で綴られている。読み終えたら文房具が欲しくて仕方ない。家族に怒られない様にこっそり買いに行ってこよう。2017/08/20
マッピー
18
私もたいがい文房具好きだと思っていたけど、片岡義男には及びもつかないことを痛感させられました。外見の美しさや機能に惚れこむと、国内で、海外で、同じものを大量に買い込む彼は、その文房具を美しく写真にとどめるために、構図や光量やフィルムなどにこだわり、その写真にストーリーを与えるのだから。美しい文房具の写真をうっとりと眺めながら、つくづく自分は実用文房具へのこだわりだけしかないなあと思う。文房具コーナーに行けばあれこれと吟味し、文房具についての本を見つければついつい読んでしまう。ああ、文房具って魔物だよねえ。2019/01/28
入道雲
9
やはり文房具は楽しい。しかし同じ物を何十個、類似の物を何十個は買えない。でもこうして見せて頂けるのは楽しい。今まで文具は古くなれば捨てたりしていたが、取っておけば面白かったなー、と思うものもあったなー。2023/08/15
ジュースの素
4
いつも手元に置きたい素敵な本だ。ほとんどが外国製のノートやペン。かなり前の本なので、日本の文具も様変わりしてると思う。人によって便利と感じる文具は違うので何とも言えないが、片岡氏はかなりシャープなものが好きなようだ。 今や日本は文具店に行かなくても百円ショップにおしゃれな品がワンサカある。片岡さんはどう思われるだろうか。2017/02/06
硯浦由咲
4
シュリンク・パックされているインデックス・カードに惹かれる片岡さんの気持ち、分かるな。私はブロック・メモに弱いんだけど、紙がまとまって立方体になってるの、なんかテンション上がるねんなぁ。2015/10/28