東西ベルリン動物園大戦争

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東西ベルリン動物園大戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 373p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784484181080
  • NDC分類 480.76
  • Cコード C0098

出版社内容情報

冷戦時代、2つのベルリン動物園でくり広げられた、奇妙な代理戦争と変人園長たちの物語。冷戦下のベルリン、代理戦争の舞台になった2つの動物園のヘンテコな実話
パンダで軍備拡張? この状況ヤバい…

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西ベルリンも東ベルリンも、ある意味では町自体が二つの動物園だった。

西はベルリン動物園、窮屈な壁に閉じ込められた孤島の宝。
東はティアパルク、常に道半ばだった社会主義のユートピア。

二つの動物園は町のシンボルで、それぞれの体制を体現していた。
二人の園長はゾウや希少動物の数を競い、存在感を誇示した。
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ドイツ初の動物園である「ベルリン動物園」は第二次世界大戦でほとんどの動物を失い、壊滅的なダメージを受けた。第三帝国ナンバー2のヘルマン・ゲーリングと親しかった筋金入りのナチで、ベルリン動物園園長だったルッツ・ヘックは、ベルリン陥落寸前に自身の危険を案じて逃亡をはかり、そのまま行方不明となった。当時はまだ珍しかった女性の動物学者であり、動物園職員だったカタリーナ・ハインロートは、瀕死の夫や負傷者、そして動物を守るために園内にとどまるが、ついに園内に侵入してきた赤軍の暴行を受ける。カタリーナはそれでも瓦礫のなかから果敢に立ち上がり、戦後のベルリン動物園を立て直していく。

戦後、敗戦国であるドイツと首都ベルリンは、自由主義経済を推進する英・仏・米と社会主義国家のソ連の4カ国によって分割管理される。とりわけ西ベルリンは東ベルリンと接しながら、その他三方もソ連統治下の東ドイツに囲まれた「陸の孤島」ともいえる状況に置かれた。そんななか、東ベルリンで動物園を建設する計画が持ち上がる。広大な敷地を誇るティアパルク建設計画だ。

第二次世界大戦と冷戦を経て現在にいたるベルリンの歴史を膨大な関係者取材から「動物園」という視点で紐解いたノンフィクション。同時代の日本の動物園事情からもっとベルリンが見えてくる「動物園の歩き方」(執筆:黒鳥英俊)も収録。

プロローグ――動物園人
壁で隔てられたボスジカ二頭
政治の舞台になった動物園
動物園の歩き方 ?

第1章 戦争とワニの尻尾のスープ
博士号をもつ「瓦礫の女」
動物園の塹壕
「クナウチュケ」のキャベツ
動物園のいじめ
動物園の歩き方 ?

第2章 動物園フィーバー
ベルリン動物園のライバル
鳥類研究家から飼育員に
「第二の動物園」構想
舞台に立つ動物たち
シュタージのメガネグマ
動物園の歩き方 ?

第3章 第四の男
ハインロートの強制退場
空中鉄道に乗ったゾウ
ドイツでいちばん若い動物園園長
駆け出しの青二才
西のロバと東のブタ
動物園の歩き方 ?

第4章 パンダと国家の威信
ダーテの活躍
住み家の問題
頑固な園長代理
運命とフライトスケジュールのはざまで
明白な関係性
動物園の歩き方 ?

第5章 狩猟家と収集家
世界最大の飼育舎
ヘラジカの輸送箱で
縄張りにライバル登場
汚れたラインのシロイルカ
トラ四頭にバク二頭
動物園の歩き方 ?

第6章 大きな計画、小さな魚
分断された動物園
東ドイツの実情
バク舎の運命
灰色の夢
動物園の歩き方 ?

第7章 一つの島に二頭のクマ
アンテロープから水族館へ鞍替えする
黄金のケージの中の黄金時代
シュミット首相の贈り物
東の石を西ベルリンに
島が沈む
動物園の歩き方 ?

第8章 灰色の巨人、倒れる
贈り物とひそかな企み
大きな変化
アドラーの旅立ち
ダーテとの別れ
動物園の歩き方 ?

エピローグ――古い男たちと新しい時代
人間でもなく、クマでもなく
クレースの最期
動物園の歩き方 ?

その後 

謝辞

訳者あとがき

監修者解説

ヤン・モーンハウプト[ヤンモーンハウプト]
著・文・その他

黒鳥英俊[クロトリヒデトシ]
監修

赤坂桃子[アカサカモモコ]
翻訳

内容説明

西ベルリンも東ベルリンも、ある意味では町自体が二つの動物園だった。西はベルリン動物園、窮屈な壁に閉じ込められた孤島の宝。東はティアパルク、常に道半ばだった社会主義のユートピア。二つの動物園は町のシンボルで、それぞれの体制を体現していた。二人の園長はゾウや希少動物の数を競い、存在感を誇示した。冷戦下のベルリン、代理戦争の舞台になった2つの動物園のヘンテコな実話。

目次

プロローグ―動物園人
第1章 戦争とワニの尻尾のスープ
第2章 動物園フィーバー
第3章 第四の男
第4章 パンダと国家の威信
第5章 狩猟家と収集家
第6章 大きな計画、小さな魚
第7章 一つの島に二頭のクマ
第8章 灰色の巨人、倒れる
エピローグ―古い男たちと新しい時代

著者等紹介

モーンハウプト,ヤン[モーンハウプト,ヤン] [Mohnhaupt,Jan]
1983年、ドイツのルール地方に生まれる。フリージャーナリスト

黒鳥英俊[クロトリヒデトシ]
1952年生まれ、北海道函館市出身。京都大学大学院理学研究科後期博士課程単位取得退学。1979年から上野動物園と多摩動物公園でゴリラ、オラウータン、チンパンジーなどの類人猿の飼育を担当。2015年、37年間勤めていた動物園を退職。2010年より上野動物園で学芸員として教育普及や広報の仕事を行う。同年より、京都大学野生動物研究センターで動物園のオランウータンの研究を継続し、2015年より日本オランウータン・リサーチセンター代表を務める。また、2007年よりNPOボルネオ保全トラストジャパンの理事として国内外でボルネオに生息するゾウやオランウータンなどの野生動物の保全活動を行っている。さらに、茨城大学農学部で動物園学の非常勤講師も勤めるかたわら、多方面にわたって類人猿の保護、啓蒙活動を行っている

赤坂桃子[アカサカモモコ]
ドイツ語・英語翻訳家。上智大学文学部ドイツ文学科および慶應義塾大学文学部卒。ノンフィクション、人文・思想、文芸など、さまざまなジャンルを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ケイ

108
フィクションじゃなかったのか。ベルリンの壁がなくなったら動物たちはどうなるのと、心が痛くなっていった。だから最後は…。気持ちを言葉に出来ないな。2021/03/13

yyrn

25
どうして70年も前のことが、まるで昨日の出来事のように克明に描けるのだろう?また50年にも及ぶ長い長い話で、東西ベルリンにある二つの動物園の名物園長らが繰り広げる強烈な動物園愛に満ちたノンフィクションなのだが、とても生き生きと描けていて、面白い小説を読んでいるよう。冷戦下で緊張する場面も多々あるが、それぞれの対抗意識がとっても人間臭くて面白い話だった。ドイツ統一後の顛末には寂しさも感じるが、動物園の転換期でもあったのだろう。なお、章ごとに挟まれる8つのコラム「動物園の歩き方」では現代の動物園実情が知れる。2019/01/10

かもめ通信

21
いやはやこれはなんともはや!思わず笑ってしまうノンフィクション!!よくよく考えると笑い事ではないのだけれど……。少々(?)マニアックではあるけれど、動物好き、動物園好きも、歴史好きも、政治談義の好きも、それぞれの萌えポイントで楽しめそうな1冊だ。2018/10/01

泰然

11
戦中、冷戦期、ベルリンの壁崩壊までの東西ベルリンの動物園の群像を通して描かれる異彩で見事な歴史ノンフィクション。文芸では動物園のイメージは高村光太郎の『ぼろぼろな駝鳥』の「人間よ、もう止せ、こんなことは」があるが、本書は鉄のカーテンの最前線で「人の琴線に触れる自然で知的な文化施設」として動物園が果たした役目を伺い知ることが出来る。ナチの残影、東西冷戦の風、パンダ外交、秘密警察の視線などのなか、東西それぞれで経営手腕を発揮した両園長の実務力は正に「ホモ・エコノミクス」だが情熱故に憎めない魅力に満ちている。2020/03/15

maroa

10
ベルリンの壁があった冷戦時代、東西2つの動物園の競争が物語風に書かれているが、実は背景に核戦争も想定される緊迫していた頃のノンフィクションもの。大きな戦争でドイツ同様に敗戦国である日本も多くの動物の命が失われ、上野動物園などのことも語られている。章ごとに入る「動物園の歩き方」も色々と興味深い。当時ハクビシンと一緒に働く園長の写真が印象的。そして最後に述べられていた、今日では動物園の入園者は楽しい気分を味わうと同時に環境破壊と自然保護についても学ぶことが求められる…。自分も最近動物を通して感じることである…2019/04/15

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