内容説明
偽ブランドのサングラスをかけると、なぜ犯罪率が上がるのか?イングランド代表チームはなぜPKをはずすのか?偽薬はなぜフランス人に効いて、ブラジル人には効かないのか?私たちの見ている世界像は、期待や予測から成り立っている。その期待や予測が過去にどのように扱われてきたかという歴史と最新の科学研究から驚くべき「期待」の力に迫る。
目次
序章 現実世界と世界像
第1章 孤独なランナー
第2章 過去の呪縛
第3章 中毒の構造
第4章 高いワインは本当に美味しいか
第5章 信用の創造
第6章 私とあなたの曖昧な境界線
第7章 我思う故に我あり
第8章 力と自制心
第9章 心の力
第10章 プラシーボは「嘘」か
著者等紹介
バーディック,クリス[バーディック,クリス] [Berdik,Chris]
1966年大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。大手メーカーにSEとして勤務後、翻訳家に。現在、翻訳学校フェロー・アカデミーの講師も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
27
2012年初出。サッカーのPK。集中力や期待。期待とシュート成功の間には複雑な関係があるという(55頁)。外すかも、というプレッシャーと、 取るかも、という勝利への期待。PK戦に弱いチームがPKのない試合戦績がいい傾向(58頁)。今のテニスfeverもまた、プレッシャーが強くなればなるほど、結果は期待できるはずの結果より悪くなる(62頁)。周りの責任(サポーター)も重大であろう。選手もPKから逃れたいが、もっと逃れたいのは監督(75頁)というのでは、選手が失敗するのも頷ける。 2014/09/09
akira
16
図書館本。 興味深い。行動の結果は自身の持つ期待によって左右されるという内容。ワインの味、高い買い物、テストの結果など、様々な例は身にも覚えがある。 経験的にわかる一節。ギャンブルをやっていた頃は、なぜか貯金ができない。コツコツした努力が悲しくなってしまうのだ。もちろんしっかり考えればおかしいとわかるのだが。こういったところが怖さなんだなと気づく。 「依存症者の脳は、長期的な目標を達成することで得られる報酬に価値を見出せない」2019/09/01
Artemis
14
社会通念はマインドレスネスかマインドフルネスか。 グレーである部分をいかに許容できるかによって物事の捉え方は大きく変わる。思い込みは制限をかけるものであり、それに振り回されないことが自分らしく自由に生きれるかということ。2020/11/20
西嶋
14
「期待」の力は、私達が期待する以上のもの。まさに私たち人間は、現実よりも「期待」の中に生きていると言える。そんな重要な「期待」の性質や影響力、対処法のヒント等について、スポーツ・医学・教育・食事などの日常生活にまつわるエピソードから学べる一冊。2017/04/10
がくちゃびん
7
人はなぜ緊張すると本来の力を発揮できなくなるのか、また少しでも緊張や不安の魔力から逃れるにはどうすれば良いのか、などが事細かな実験や実証をもとに解説されている。中でももっとも興味深かったのがプラシーボ効果に関する説明だ。自己催眠というレベルではなく、効果時には本当に脳内で痛み止めのホルモンが排出され、患者は痛みを感じなくなる。また偽物とわかっていても怪我や病気が改善に進む。非常に摩訶不思議な現象だが、これこそ今後の医学の主要テーマとして研究を進めていただきたいと感じた。非常に面白かった!2016/03/31