内容説明
生物的時間。この新しい時間の見方を使って現代社会を眺めてみると、少子化、高齢化、エネルギー問題等々、今日の日本が抱えている問題は、すべて時間の捉え方が偏っていることに起因すると著者は主張する。良く生きるとは、良い時間を生きること。良い時間をつくりだすために、そして現代人を「時間の奴隷」状態から解放するために、歌う生物学者が提起する時間観のコペルニクス的転回の書。
目次
プロローグ 東京は悲しいところ―ネズミなみの人口密度で暮らす異常さ
第1章 動物の時間―動物によって時間は異なる
第2章 動物のエネルギー消費―恐竜は意外に小食だった
第3章 エネルギー問題を考える―日本人はゾウなみのエネルギーを使う
第4章 現代人の時間―人はエネルギーを使って時間を早める
第5章 ヒトの寿命・現代人の寿命―縄文人の寿命は三〇歳
第6章 老いを生きるヒント―意味のある時間は次世代のために働くことによって生まれる
エピローグ 天国のつくり方―ナマコに学ぶ究極の省エネ
付録
著者等紹介
本川達雄[モトカワタツオ]
東京工業大学大学院生命理工学研究科教授。1948年仙台に生まれる。東京大学理学部生物学科(動物学)卒。琉球大学助教授、Duke大学visiting associate professorを経て1991年より東京工業大学教授。専門は生物学。棘皮動物(ナマコ、ウニ、ヒトデ、ウミユリ)の硬さの変わる結合組織の研究や、サイズの生物学の研究をする一方、それをとおして、彼らがどんな独自の世界をつくりあげているかを理解しようと努めている。科学とは自然の見方、つまり世界観を与えるものだという考えのもとに、生物学的世界観を分かりやすく説く著書を執筆している。高校の生物の教科書(啓林館)を執筆しており、理科教育も分かりやすく親しみやすいものにしようという考えから、高校で習う生物学の内容を全70曲の歌にしたCD付き参考書『歌う生物学必修編』(阪急コミュニケーションズ)を刊行。伝統ある参考書(「チャート式シリーズ」数研出版)の改訂にも携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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