内容説明
著者が落語に目覚めたのは数年前だ。志ん生・文楽から現在の若手までをヨーイ、ドンで聞いた。最も衝撃を受けたのは「彼」。どえらい上方落語の爆笑王だ。「彼」の思想性の大きさよ。俺はナマの高座を聞いていない。残された音と映像だけから「彼」の思想の深さを言いたい。松本留五郎の鼓腹撃壌を、夢野久作との相似を、天地の逆転を。この一冊を泉下の「彼」に捧げる。
目次
枝雀落語へ
「石松三十石舟」vs.「三十石夢の通い路」
枝雀初アルバム「日和ちがい/鷺とり」
B面「鷺とり」
「雨乞い源兵衛」、落語アナーキズム
「幽霊の辻」の実録
天に唾するやりかたは
まんじゅうの自己同一性
「天神山」、枝雀のバサラ
三笑亭可楽が演じたる「立ち切り」〔ほか〕
著者等紹介
平岡正明[ヒラオカマサアキ]
1941年、東京本郷生まれ。横浜・野毛をホームグラウンドとする全身評論家。『韃靼人宣言』で衝撃的に登場して以来、革命・犯罪・ジャズ・歌謡曲・浪曲・映画・文学…あらゆる分野を対象に脱領域的な批評活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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