出版社内容情報
小津安二郎『お茶漬けの味』からマンガ『きのう何食べた?』『花のズボラ飯』まで、家庭料理はどう描かれ、作られてきたのか。家族や社会の変化とともに80年を読み解く。
内容説明
小津安二郎『お茶漬の味』から『きのう何食べた?』『花のズボラ飯』まで、家庭料理はどのように描かれ、作られてきたのか。
目次
プロローグ 朝ドラ『おひさま』の理想の食卓―昭和前期
第1章 主婦たちの生活革命―昭和中期
第2章 「本格外国料理を食べたい」―昭和後期
第3章 家庭料理バブルの崩壊―一九九〇年代
第4章 食卓の崩壊と再生―二〇〇〇年以降
エピローグ 新世代の家族のドラマ
著者等紹介
阿古真理[アコマリ]
作家・生活史研究家。1968年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部を卒業後、広告制作会社を経てフリーに。1999年より東京に拠点を移し、ノンフィクションの仕事に取り組む。食を中心に暮らし全般、女性の生き方、写真など文化をテーマに雑誌、書籍その他でルポや論考を執筆。大学時代に培った社会学視点から、社会が抱える課題に切り込む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
35
装丁とタイトルに惹かれて中身も確かめずに借りてきたら大学の教科書のような本でした。料理の歴史や分析はしっかりしてるけれど、ちょっと期待していた感じではなかった。2015/05/02
小鈴
18
家庭料理の80年とは、洋食化し和魂洋才した多国籍料理化(カフェ飯)の流れだけでなく、作り手の多様化の歴史でもある。「家庭」料理を作るのは母親だった時代から、ともに暮らすのは必ずしも従来の血縁家族でもなくなった(同性婚やシェアハウスなど)。そもそも未婚者が増加し、既婚者であってもつれあいに先立たれ老後はお一人様になってたり、個食化のトレンドは強く誰でも料理する時代になったのだ。だからこそ、性別限らずにいつでもだれでも作ることができるレシピ集があふれているのだ。2015/07/13
おくらさん
17
食についての文献はなるべく読むようにしているが、この視点の 時代の変遷は興味深かった。 白金の食に関する図書館に また行きたくなりました。2020/10/03
MOKIZAN
13
他著も読んだがこの方は真面目な方だと思う。単純に「ごはんを美味しく食べましょう」といった展開になってくれない。本著は往年のホームドラマと絡めつつ綴られているので、読みながら小腹が空くことも無い代わりに、ダレきることも無かった。だけど美味しい匂いが脳内を巡らない食べ物本は、やっぱつまんない。料理との向き合い方の一つを知るには良いかもしれないけど。なんで食べることが楽しいのか、みたいなこと説いてみてくれないかなあ。この人なら腑に落ちることも書いてくれそう。2016/06/04
midorino
8
家族で「なぜ日本のお母さんはこんなにいろんな料理を作るのか」という話になり手にとった一冊。昭和から現代までの家庭料理を「主婦」という観点から解説する本だったのだけど、、「家庭料理はお母さんが愛情こめて作るべきもの」という主張をごり押しされるようで読んでいて楽しめなかったのは、私自身が非難されているように感じてしまうからだろうか。『きのう何食べた?』も取り上げられているので、女の人中心じゃない家庭料理の話になるかと思いきや「主婦が共感しやすい」というだけの話に。著者はこの漫画や主婦が好きじゃないのかな。2020/05/06