秘密の動物誌

秘密の動物誌

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  • サイズ A5判/ページ数 229p/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784480871541
  • NDC分類 480.4
  • Cコード C0072

内容説明

世界各地に生息する新種の動物たちを多数採集、膨大な写真と詳細な観察記録を残して謎の失踪を遂げた動物学者、ペーター・アーマイゼンハウフェン博士の驚くべき偉業の全貌―。

目次

1 ペーター・アーマイゼンハウフェン博士の生涯
2 新種・奇種の動物たち(ソレノグリファ・ポリポディーダ;ミコストリウム・ウルガリス;トレスケロニア・アティス;アナレプス・コミスケオス;ミオドリフェラ・コルベルカウダ;ペロスムス・プセウドスケルス;イクティオカプラ・アエロファギア ほか)
3 解説(製作ノート;非存在の実在証明)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ムッネニーク

76
49冊目『秘密の動物誌』(ジョアン・フォンクベルタ/ペレ・フォルミゲーラ 著、管啓次郎 訳、荒俣宏 監修、1991年12月、筑摩書房) 光る象や多足蛇、水面直立魚など、動物学者アーマイゼンハウフェン博士の驚くべき発見の数々が紹介された図鑑。写真や文章、年表などであたかも真実のように見せかけるいわゆるフェイク・ドキュメンタリーものなのだが、本書がただの出鱈目ではなく〈幻想動物学〉と荒俣氏が呼称する民俗学に則している点は留意しておくべきだろう。 〈「実在するもの」は、存在しうるものの小さな一部分にすぎない〉2024/04/09

えか

38
『鼻行類』『平行植物』などと同じ、架空の生物学術書である。おっさんのような一本脚の生えた阿古屋貝。尻尾が灌木に擬態する北極キツネ。亀の甲羅を持つ鳥。知能の高いマントヒヒケンタウルス。干潮の浜に直立する魚。発光するゾウ。自ら水に飛び込み、吐いた火を消すワニ。奇妙奇天烈な生物が写真つきで載っている。僕が、中でも好きな生物は、幼生の時は海底のカメノテのような姿だが、成長すると、海底に土着した、オオカミウオのような姿になる、ポリキペス。と、スルメに悪魔のような眼がついた、スカティナ・スカティナの二匹。 2024/03/03

はちてん

29
世界各地の新種を数多く発見しながら1955年スコットランドで謎の失踪を遂げたペーター・アーマイゼンハウフェン博士の資料が発見された。資料には未知の新種たちの写真もあり、「存在するとは写真に写ること」と逆説を唱えた博士の真骨頂である。近々academicも認めるかもしれない。空飛ぶ象はDumboを連想するが機能は異なる。中でもガラパゴスで発見されたMyodoritera Colubercauda(ミオドリフェラコルペルカウダ)のレントゲン写真は美しく秀逸。著者はファンクベルタとフォルミゲーラ→2014/03/19

スターライト

10
スコットランドへの取材旅行で借りた家の地下室から見つかったおびただしい資料群。それはある博士が収集し、記録した動物誌だった!あたかも実在するかのように丁寧に写真までそえられ、あろうことかはく製まで掲載されている始末。最後の最後で架空の記録であることが明かされるが、ひょっとしてこの地球のどこかに生息しているかも、と思わせる生態と造形には脱帽。どこまでがフィクションでどこからが現実なのか区別がつかないが、これはすべて真実であると思っていた方がよいのかもしれない。ただし、他人にそれを吹聴するのはお勧めしないが。2016/12/14

koikinabeat

5
それは写真にうつっているのだから実際に存在するはずだ。という科学の論理を逆手にとり、幻獣が存在するかのような、動物を撮影した写真、X線写真、観察スケッチ、鳴き声のソノグラム、動物学的記述を提示する。 形式が内容を規定するという潜在的なメッセージによって、なんとなく真実な気がしてしまうから、面白い。 科学的論理に疑念を抱くという本質的なところをそのままに、内容はユニークで愛らしい動物を紹介していて、クスッと笑える。 事実と架空を行き来する極上のエンターテインメント。

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