ゾンビ経済学―死に損ないの5つの経済思想

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  • サイズ B6判/ページ数 306p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480864178
  • NDC分類 331
  • Cコード C0033

出版社内容情報

経済学では、既に破綻した理論がゾンビのごとく復活し、幅をきかせている! 効率的市場仮説ほか5つの経済学説を、誕生・死・ゾンビ化の流れに沿って徹底検証。

内容説明

かつて一世を風靡し、政策にまで影響を及ぼした経済理論は、本当に正しかったのか?本書はこう答える―「経済学では、既に破綻した思想や理論が、破綻したあとも、ゾンビのごとく復活し、幅をきかせているのだ」と。大中庸時代説(安定した経済がずっと続く)、効率的市場仮説(市場は合理的でバブルは起きない)、DSGE(ミクロ的基礎付けを持つマクロ理論が重要)、トリクルダウン説(金持ちが豊かになれば貧困層にも恩恵がある)、民営化など。これらの経済理論は、世界金融危機のなかで、正当性を否定されたはずだった。なのに、いまだゾンビのごとく市場や経済界に跋扈して、あるべき経済理論を生みだす妨げとなっている。5つの理論は、どのように誕生し、どのような生涯を送り、どのように死に絶え、さらには復活を遂げてゾンビとなったのか―。

目次

第1章 大中庸時代
第2章 効率的市場仮説
第3章 動学的確率的一般均衡(DSGE)
第4章 トリクルダウン経済学
第5章 民営化
結論 二一世紀の経済学とは

著者等紹介

クイギン,ジョン[クイギン,ジョン][Quiggin,John]
1956年、オーストラリア、アデレード生まれ。経済学者。専門、農業経済学・資源経済学。2003年よりクイーンズランド大学で、経済学部教授。新聞のコラムニスト、経済学ブロガーとしても著名である

山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。大手シンクタンクに開発コンサルタントとして勤務。同時に、経済、文化、コンピュータなど、広範な分野で評論、執筆、翻訳活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobu A

11
購読本読了。様々な要因が影響し合い、相互作用を起こしている複雑怪奇な経済活動。第中庸時代、効率化市場仮説、DSGE、トリクルダウン説、民営化と一時は大手を振っていた経済理論。それらが破綻しても度々持ち上げられる現象をゾンビと呼び、鋭くメスを入れた一冊。とここまで書いて、とても好奇心を満たす内容だが、頁を進めると翻訳調文体なのか、自分の知識がないからか、今一頭に入ってこなかった。一知半解。ケインズ経済学の造詣をもう少し深めると、相対的に理解力が上がるのかも。残念ながら消化不良。2019/08/31

Ex libris 毒餃子

8
この本で佐賀を盛り上げるんじゃーい! ゾンビランドサガ的な本かと思ったら、経済理論として破綻したはずの理論が未だに跋扈しているので解説した本。民営化の項目についてはまだまだ日本では有効性のある議論だと思います。 破綻といっても当時は理論的整合性を持っていたのだが、時代にそぐわなくなっていくのが、また、人間を対象とした学問の難しさであるととも醍醐味かもしれません。2019/01/26

壱萬弐仟縁

8
「ゾンビ思想とは、殺されても繰り返し復活する思想」(19ページ)。粘着力抜群。「死: 金持ちはもっと豊かに、貧乏人はどん底のまま」(200ページ~)。「金持ちの親は自分の能力の低い子どもたちに下駄を履かせようとする」(209ページ)。階級の固定では教育に未来は語れない。「大問題とは、格差増大をどう逆転させ、大圧縮時代のもっと博愛主義的な社会をどうやって復活させるか」(222ページ)。博愛というと、鳩山氏が友愛といっていたが、人生格差が目につき、生きるのが嫌になってしまう。人生格差でもゾンビ人生は可能かな。2013/02/13

T.Y.

5
「ゾンビ」=間違いが判明しても幅を効かせ続けている理論・思想のこと。本書で取り上げられる「ゾンビ」化した経済理論は「大中庸時代」「効率的市場仮説」「動学的確率的一般均衡(DSGE)」「トリクルダウン経済学」「民営化」の5つ。訳者あとがきで言われている通り、本書中で描かれるこれらの思想の死は2008年の金融危機以降で、ゾンビとしての活躍期間はまだ短い。だが、現実の政策決定になおもこれらの考えが登場しているのを見れば、ゾンビとしての蔓延りぶりが分かるはず。現実と合わせて読むべき1冊。2013/07/08

メルセ・ひすい

4
★5 ゾンビとは如何に!①大中庸時代(安定した経済がずっと続く)、②効率的市場仮説(市場は合理的でバブルは起きない)、③DSGE(ミクロ的基礎付けを持つマクロ理論が重要)、④トリクルダウン説(金持ちが豊かになれば貧困層にも恩恵がある。富豪の金は貧乏人に滴り落ちる!???)、⑤民営化など…これらの経済理論は正当性を否定されたはず!経済学では、破綻した理論がゾンビのごとく復活し、幅をきかせている。その経緯はいかなるものだったか。5つの経済学説を徹底検証。かなり専門的でわかりにくい理論を、わかりやすく説明。2013/01/17

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