内容説明
現代は二種類の病気の男を生みだした。―『鉄骨男』と『骨抜き男』。こうした男たちはどうして生まれたのか?男性アイデンティティが抱える根本的な問題とは?その中で男性同性愛はどう考えられるのか?フランスで大ベストセラーとなった画期的な男性論。
目次
プロローグ はじめにXありき
第1部 Yが男になる長い道のり(男であることの自覚;性差の芽生え;男性への旅立ち;「男を産むのは男である」;誰が誰を愛するか)
第2部 男が男であること―XY(病気の男を治療する;切り落とされた男;釣合いのとれた男)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
76
途中で中断してて今日ようやく読了。「男とは何か」をあらゆる角度から論じてあり、「男らしさ」について書かれたものではない。結局、ボーヴォワールの言葉をパロった「男は男に生まれるのではない。男になるのだ」という言葉に集約されていた気がするし、すごく納得できた。また、これまでの学者や思想家、医師たちなどが論じてきた「同性愛」に関しては、反論、否定したい部分がたくさんあったけれど、本書では断定せず客観的な判断にとどまっていたのは好感持てた。そして僕は今のまま今後も新たな時代を切り開いていこうとあらためて思った。2013/08/02
xxx
1
「男を産むのは男である」主体性、攻撃性、勝利への欲求…など男性ジェンダーは男性自信によって造られる。苦痛や挫折を伴うことで「男らしく」なるとはマゾヒズム的だ。作者はフロイトの前エディプス期の理論を参考にしており「男性」になるためには母親からの別離が必要だとする。そのため「男性」となる通過儀礼には女性排除のイデオロギーが作用している。男性が家庭に不在となる近代から男性は「男らしさ」に執着しフェミニスト的な女性に恐怖を感じているが彼らがマゾヒズム的な「男性化」から解放され生きやすくなることを望むばかりである。2019/05/12
やん
1
あの、すみません。すごく役には立つのだけれど、いかんせん翻訳本が苦手で、11月から読んで半分しか読めなかったわ。買います。買いますから。はい。簡単に言うと、男性は自己形成するの大変なんですね。2013/06/18