香港回収工作〈上〉

香港回収工作〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480857378
  • NDC分類 312.22
  • Cコード C0022

内容説明

資本主義香港を奪還せよ。〓小平の密使として香港回収を指揮した「陰の総督」許家屯。イギリスとの暗闘、中南海での抗争。返還を目前に明らかとなった驚くべき政治裏面史の赤裸々な証言。

目次

中南海での拝命
初めて香港の土を踏む
中英交渉の内幕
「統一戦線工作」の展開
両翼への工作―労働者と資本家
将来の政治制度をめぐる論戦
短かった中英の蜜月
北戴河での対立
「真珠」の輝きをさらに―経済工作

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

83
昨年来、香港情勢に暗雲が垂れ込めている。本書はその香港回収の任を帯び北京から派遣され、影の総督と呼ばれた男、許家屯の回顧録。江蘇省での手腕を鄧小平に認められ、83年6月、新華社香港支社長(実質的中国代表)として着任。各界人士と広く接触を求め積極的に人脈の構築に励む。英総督や政庁、英国・華人資本家とも交わり、共産党に対する不信・不安の除去に務め97年返還への環境を整えていく。が、そこは中国、趙紫陽ら党中央とのパイプを背景に大胆な開放的方針を採っていくが、北京上層部や香港内部の保守勢力の執拗な抵抗・妨害が…。2021/01/14

papahaba

1
返還前の中国共産党内部の事情、政策決定、香港政策実行の現場のリアルが淡々と記述されている当事者による一級の歴史書。共産党の脅威になる動きは、最優先で潰した天安門事件から2020年の香港デモ鎮圧が被る。97年と異なり、香港自体の中国での重要性が小さくなった事が、本書の記載当時と政策決定において条件が異なってしまったが、基本政策方針には変更はない。現在の状況に繋がるリアルな歴史書。2021/08/03

Tetsuya Noguchi

1
著者の許家屯は、1983年~1990年まで新華社香港支社長を務めていた。同職は、イギリス支配下時代の香港で実質、中国政府を代表するポジション。許家屯は、中英交渉の重要な時期に香港に駐在していたが、1989年の天安門事件を契機とする中国内の政変により、趙紫陽総書記などが失脚したあと、1990年2月に同職を辞職し、5月にアメリカに実質亡命。 天安門事件の前と後では、中国の香港『一国二制度』に対する考え方が大きく変わったが、変わる前の中国政府の『一国二制度』に対する考え方を知る上で、有用な情報を提供している。2018/07/28

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