内容説明
いま、街が面白い!路上から観察できる森羅万象を対象とした〈路上観察学〉の旗の下に、都市のフィールド・ワーカーたちが結集した。それぞれ、独特の眼玉を駆使して、街の隠された表情をいきいきととらえる方法をここに披露する。街歩きが好きな人には、欠かせないマニュアル。
目次
1 マニフェスト(我いかにして路上観察者となりしか;路上観察の旗の下に)
2 街が呼んでいる(1 芸術から、学問から;2 考現学にはじまる;3 路上観察とは何か)
3 私のフィールド・ノート(考現学の宿題―1970・7~8;路上の正しい歩き方;建物のカケラを拾う;街にトマソンを追って;麻布谷町観察日記;女子高生制服ウォッチング)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
32
その頃は時代的にも路上観察にはうってつけだったんだろうとも考えられる。2014/06/05
袖崎いたる
5
赤瀬川原平の仕事がよくわかっていないまま『超芸術トマソン』などの書名を知っていた私は、この本で彼のやりたいことの片鱗を窺い知る。なるほど、聖なる無用性か!ってね。それは車寅次郎が社会的には役に立たないけれど、その役に立たない一点に立って彼と関わる人々に癒しを授けるようなもの。路上観察とは、そうした「空地=聖地」を求めて、矯めつ眇めつに都市空間を渉猟するマイノリティの行いを指す。アウトサイド・アートに受けた衝撃にも似た異文化、もしくは既成の価値観をびっくりさせる無意味を提示するかのごときハビトゥスに、脱帽。2021/03/22
カコ
2
考現学。面白い。これは面白い。「下らない」といわれそうなことでも、学問してみると面白い。この本の83ページで赤瀬川源平が「観察者が自分の絵で描いているのがおもしろいんで、これが機械化されると何もなくなる」と言っているのは、「面白さ」についての一つの至言だと思う。2012/08/03
misato
1
散歩していると不思議な階段があったりする。
Hisashi Tokunaga
1
15年前以上読了。フジモリ氏がいなければ路上観察士の赤瀬川氏もいないな、ってくらいのコンビネーション。