出版社内容情報
「あるがままの自分に向きあいたい」、臨済宗・相国寺でドイツ人女性が修行した。坐禅や接心をとおして、迷いから解き放たれ、悟りへ開かれてゆく魂の禅的精神体験記。
内容説明
隻手音声、熱心に坐禅を続けた著者に老師が与えたのは、白隠創案の公案(禅の問い)だった。両手を合わせて打てば音が響くが、片手では音は出ない。隻手の音なき声を聞くとはどういうことか―。ドイツ人女性が体験した禅の豊かな世界。
目次
禅の寺への道
仏とは誰であり、どこにいて、何であるか
無門の門
風は、吹くがままに吹く
隻手の音声を聴け
東西なし
帰国、そして再訪
あるがままの自分を見ることを学ぼう
生まれる以前にもっていた顔
隻手が天と地を貫く〔ほか〕
著者等紹介
グレーニング,リース[グレーニング,リース][Groening,Lies]
1900年、ドイツ・ヴェストファーレンの農家に生まれる。17歳で遭遇した鉄道事故で医学部進学の夢を断たれたが、療養体操指導員の資格を得て、ベルリン、ハンブルク、ミュンヘンで呼吸セラピストとして独自に仕事をしていた。第2次世界大戦中の死と隣り合わせの体験に続いて、兄や、仕事上の伴侶であった親友の死に遭い、生きていることの根本を問う気持が次第にたかまっていたとき、鈴木大拙の“An Introduction to Zen Buddhism”の独訳を読んで禅に関心をもち、1957年来日、京都の相国寺で参禅した。1987年、ハンブルクで死去
上田真而子[ウエダマニコ]
エンデ『はてしない物語』、リヒター『あのころはフリードリヒがいた』、シュピリ『ハイジ』、ヘルトリング『おくればせの愛』など、児童書を中心に多数の翻訳を手がける
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