脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480842657
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0011

出版社内容情報

「私には心があって、自分の行動はすべて私の意志でやっている」と誰もが錯覚している。なぜ、どのように「脳」は「心」を作ったのか、最大の謎を明らかにする。

内容説明

意識とは何か。意識はなぜあるのか。死んだら「心」はどうなるのか。動物は心を持つのか。ロボットの心を作ることはできるのか…「心とは何か」という疑問の答えに挑んだ野心的な書。

目次

第1章 「心」―もうわかっていることと、まだわからないこと(心の五つの働き;意識の三つの謎 ほか)
第2章 「私」は受動的―新しいパラダイム(からだのどこまでが自分なのか?;脳=「私」、ではない!? ほか)
第3章 人の心のたねあかし―意識の三つの謎を解く(「私」は心を結び付けてはいない;「私」は何のために存在するのか? ほか)
第4章 心の過去と未来―昆虫からロボットまで(動物は心を持つか?;昆虫の気持ちになってみると!? ほか)
第5章 補遺―「小びと」たちのしくみ(コンピュータと脳は同じか?;ニューラルネットワークは万能コンピュータ? ほか)

著者等紹介

前野隆司[マエノタカシ]
1962年山口生まれ。1984年東京工業大学卒業、1986年同大学大学院修士課程修了後、キヤノン(株)入社。超音波モータや精密機械の研究開発に従事。1995年慶応義塾大学専任講師、1999年同大学助教授、現在に至る。1990~1992年カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、2001年ハーバード大学Visiting Scholar。博士(工学)。大学移籍後は、新型アクチュエータ、ヒトの触覚、触覚センサ・触覚提示デバイス、遠隔操作型ロボット、生物の進化シミュレーション、進化・生命化するロボットなど、ロボットとヒトの研究に従事
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

loanmeadime

15
大分前に、池谷裕二さんの『単純な脳、複雑な「私」 』を読んで、脳は命令を出すのではなく、許可をするだけだ、とあって、誰に許すのかと思っていましたが、おそらくそれは、ここにあるニューラルネットワークの「小びと」たちのことだろうと、納得しました。参考文献とかにあったかもしれません。本書では、許可すら与えない、とあります。中枢などというものはなく、並列計算機の同時処理、その結果を受け取るのもネットワーク。しかも、昆虫の脳とさほど変わらない個々のモジュールが複雑につながって「私」を作る・・・すごい。 2023/09/11

蓮華

14
難しくてよくわからなかったので再読します。2019/01/11

GASHOW

14
ファースト&スローで脳のシステム1やシステム2という無意識の役割について知ることができた。本書は、意識と無意識の関りについて説明されているので、非常にわかりやすい。人間を維持するのはエピソード記憶がとどまり自分を認識するということについてもしっくりくる。AIのディープラーニングの効果として、フィードフォワードができれば、熟練した人が無意識が0.5秒先に体を動かすことと同じことができる可能性があることなどのセレンディピティがあった。2017/04/28

izw

11
文庫版を昨年5月に読んだ http://bit.ly/2w6ISRb が、明後日(8/20)、シンギュラリティサロン http://ptix.co/2uBvGnH で前野先生の講演を聞くことにしているので、その前に再読した。再読するにあたり、文庫ではなくオリジナルの単行本にした。お会いしたら聞きたいことが2点、ディープラーニングの成功により考え方に変化があったか、何か進展んしたか、と、心をもつ機械の実現はまだ出来ていないと思うが、実現に向けての課題は何か。明後日の講演が楽しみである。2017/08/18

ちゃんぐ

10
お医者さんでもなく専門家でもない、どっちかっていうとエンジニアな人。1962年生まれの人が42歳の時に書いた本。20年前の最新の研究成果が盛り込まれている。ARの概念がこの時あったとは驚き。恐怖や怒り、欲求は生物としての本能、それを昇華させたものが心であり、これこそが進化。コギト・エルゴ・スムがすべての始まり。などと語りたくなってくるような本。DNAには記憶が刻まれていると思う。年に1回、東京湾でゴカイが産卵のために一斉に海面にでてくるとかね。とても読みやすい。クオリアってSONYが良く使ってたなぁ。2023/08/28

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