内容説明
作品とは、作品に対する期待である。この期待のなかにのみ、言語という本来的空間を手段とし場所とする非人称的な注意が集中するのだ。『骰子一擲』は、来るべき書物である。―マラルメ論に収斂する全26章、モーリス・ブランショの主著、20年ぶりの改訳新版。
目次
1 セイレーンの歌(想像的なものとの出会い;プルーストの経験)
2 文学的な問い(「幸福に世を終えられそうもない」;アルトー ほか)
3 未来なき芸術について(極限において;ブロッホ ほか)
4 文学はどこへ行くか?(文学の消滅;ゼロ地点の探究 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruka Fukuhara
5
しっかりとした訳だし書いてあることも面白い気がしたけど、何だろう、フランス人の書き方に慣れないせいか思いの外楽しめなかった。知的な香り。2017/03/10
999
2
読んでよかった。面白かったという感想よりも「読んでよかった」と思った感想の方がしっくりくる。内容は難しく理解するにはまた繰り返し読まなければならないと思う。なにを書くか、なにを表すのか、についてよく考えさせられた。こうして感想を書いているが結局のところ公開されるのは読んだという事実といくつかの漠とした実感のみ。最初のセイレーンのくだりからこの読後感へと誘われていたのかもしれない。もう少ししたらまた読んでみようと思う。2020/05/31
ULTRA LUCKY SEVEN
0
ブランショの日本語で読める最高の一冊の一つ。2012/03/02