内容説明
テーブルの上の小さな宇宙をめぐって、気鋭の批評家にして無類の食いしん坊が傾ける蘊蓄の数々。幼少時の舌の追憶から麺の形面上学へ、さらに食の達人たちに捧げられたオマージュへ。「口より入るすべて」に及ぶ軽やかで先鋭な文化論。食物批評・料理人類学。
目次
1 aperitivo しょくぜんしゅ
2 antipasto おーどぶる(ひとりで食事をすることの孤独について;小僧の神様の神学;ビビンバ・コムプレックス)
3 primo piatto さいしょのおさら(ビビン冷麺;たくさんのパスタ;麺の思考)
4 secondo piatto にばんめのおさら(パリで1番安いフランス料理店;クリスト・コムプレックス;まっ昼間から呑むこと)
5 insalata さらだでいっぷく
6 formaggi ちいずもあるよ(モードとしての食事;みそ汁の神話作用;料理とセクシャリティ)
7 frutta くだもの(吉田健一における食うこと呑むこと;北大路魯山人における食うことと罵倒すること;白土三平における食うことと採集すること;石原吉郎における食うことと生存すること)
8 dolce さいごにあまいもの(アリスと消化の欲望;断食の教え)
9 il conto さておかんじょう