内容説明
知る人ぞ知るケンカの達人・遙洋子が、そのケンカ道にさらに磨きをかけようと、東大・上野ゼミに入門。今、明かされる究極のケンカ道とは?フェミニズムの真髄とは?格闘技としての学問に分け入り、心の中で「ドーン」と音がするほどの感動を味わったタレントの、涙と笑いの抱腹エッセイ。
目次
教室は四角いジャングル
本物は違う!!
「わからない」という言葉のもつ力
学生たちとの交換条件
美貌と巨乳と学問の価値
「それがわかればしめたもの!!」
賢さに種類があるとすれば
安田講堂がみたもの
構図を叩きつぶす技術
学者はなぜ、打たれ強いか〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみ
35
この著者を私は知らないのですが…20世紀末の発行。フェミニズムの入門書というよりは、この時点までの交通整理かつ道案内。自分が何を分からないのか、を明確にし、かつ疑うのが学問。疑問を理論にするのが、学問。理論の裏付けのあるケンカをするために必要なのも学問。そして、学問を知として活用するのに不可欠なのが直感力。というようなまとめでよろしいでしょうか?社会学とはありとあらゆる学問を吸いとって成り立つ鬼っ子らしい。食べるためには役に立たないが、生きるためには活用法もあるかもしれない、本人次第の学問である。2014/10/05
Aya Murakami
30
フェミニズムとはヒューマニズムなのだとか…。なるほど、人間観察のためには性的な視点も研究しなくてはいけないのですね。 また、フェミニズムは常識を疑う感じで直観をはたらかせる必要もあるそうです。この辺はミステリーに通じそうです。2018/05/26
なお
20
図書館本。「知らない」とは怖い事だ。ケンカをするにも打ち負かすのではなく弄ぶ様になりなさい。それには知識が必要だ。と上野千鶴子さんは言う。知識者を育てる人はやはりスゴい。2016/05/27
さけちゃん
15
上野千鶴子のことも、遙洋子のことも勘違いしていた。たまたま図書館に本を返却した時に、返却棚にあった本を手に取っただけだったのに。最近仕事で、ちょうど論理的な反論を考えるのは大事だなと思っていたのでタイムリー。いいかえすつもりはないけど、相手のアラや隙が見えていれば、自分の気持ちも楽になるし、異常に落ち込まなくて済む。恐るべし上野。いつまでも学び続け疑問を持たなくなったら、思考は止まってしまうと実感した一作だった。棚に置いてあったことにありがとう。2020/01/13
Kent Kaseda
14
学問の面白さ、武器としての強さがよく分かる。大学入学直後に読んでいたら、もっと勉強熱心になったかもしれない。筆者の「学べば学ぶほど答えが分からなくなる」という言葉に共感した。それは私も最近、経済や社会について様々な本を読んで、感じていたことだった。それに対する上野先生の「それでいい。物事は多面的だと気付けるだけで大きな価値がある」という言葉に自分も励まされた。フェミニズム論についても、より詳しく知りたくなった。次は上野先生ご自身の著書に挑戦したい。2017/06/30