内容説明
中国で迎えた終戦の記憶から極貧の美大生時代まで、夫婦の恐るべき実像から楽しい本の話、嘘みたいな「或る女」の肖像まで。愛と笑いがたっぷりつまった極上のエッセー集。
目次
1(薬はおいしい;お月さま;「問題があります」まで ほか)
2(大いなる母;いま、ここに居ない良寛;子どもと共に生きる目 ほか)
3(北軽井沢、驚き喜びそしてタダ;幸せまみれ;役に立ちたい ほか)
4 特別附録(或る女)
著者等紹介
佐野洋子[サノヨウコ]
1938年、北京生まれ。武蔵野美術大学卒業後、白木屋(デパート)宣伝部に入社。のちに退社しフリーとなる。1967年から約半年間、ベルリン造形大学でリトグラフを学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ikutan
45
角田さんのエッセイにあった書評が気になって、読んでみた。サバサバとして小気味よいエッセイ。貧乏だった若い頃から、貪るように本を読み、でも、何も身につかず無駄だったといい放つ潔さ。確かに、私も、活字に浸る心地よさや読んだという達成感だけで読んでいるんだよな。年齢を重ねてきたことをしっかり受け入れ、本音が全くぶれない。『人は誰でも日常に埋れた魂の美しさを持っている。』人生の先輩として、教えて頂くこと多々。ポンポンと放つ言葉が痛快ね。特別附録『或る女』のマチコさんは強烈だったけど、これに近い人はけっこう居そう。2015/06/13
takaC
18
面白かった。早く文庫化されないかな。2012/01/07
Maiラピ
13
白洲正子さんみたいな知的でストイックな晩年にあこがれるけど、自分に当てはまりそうにない。でも佐野さんのエッセイはあぁこんな感じかなぁと年取った自分を想像できた。佐野さんほど人に影響を与え、いろんなもの残した人でも、自分は何の役にも立たなかったなぁ・・・と思うものなんですね。2011/02/15
なおみ703♪
6
佐野洋子さんらしい一冊。角田光代さんお薦め本。とにかく家にある活字を読めない文字を飛ばして読んでいたという。言葉を借りれば、名作もそうでない書も「くそみそ一緒」に。で結論としては「読書は無駄だった。そして、読書だけが好きだった私の人生も無駄だったような気がするのだ」という。天国の佐野さんに伝えたい。読書したから、あなたはこれだけ書けたのだし、『100万回生きたねこ』のようなきっと後世にも残る絵本を世に出せた、世界観を持てたじゃないですか!って。自分の素直な感情をストレートに描いた作品。2018/07/29
こすもす
6
ドキュメンタリー映画「100万回生きたねこ」のをみて佐野さんに興味をもち読んでみた1冊。男前~~な佐野さんでした!2013/02/02