出版社内容情報
PR誌『ちくま』名物連載「ネにもつタイプ」待望の3巻めがついに! いっそうぼんやりとしかし軽やかに現実をはぐらかしていくキシモトさんの技の冴えを見よ!
内容説明
奇想天外、抱腹絶倒のキシモトワールド、みたび開幕!ちくま好評連載エッセイ、いよいよ快調な第三弾!
目次
運動
ふるさと
アレキサンドリア
大地の歌
カブキ
哀しみのブレーメン
体操
会員
不治の病
名は体を〔ほか〕
著者等紹介
岸本佐知子[キシモトサチコ]
上智大学文学部英文学科卒。洋酒メーカー宣伝部勤務を経て翻訳家に。『ねにもつタイプ』で第23回講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
137
不思議な短編小説集でした。小説というか、小話のような、一瞬エッセーと間違えてしまいそうな不思議話。とっかかりは、そういうことあるなぁという些細な出来事を取り上げつつ、掘り下げていくと、ホラーになったり、エレジーになったり、サスペンスになったりと振り回される。ありそうな話が、ちょっとSFみたいに発展していくのが楽しいのだけども、考えオチを突き詰めたかのような、笑いと怖さが同居する文章を楽しめました。2020/01/27
tsu55
120
翻訳家岸本佐知子のエッセイ集。 ふわふわとさまよう思考、不思議な浮遊感は少し内田百閒に似てるような気もするけれど、百鬼園先生ほど読者を突き放した感じはしないし、不気味でもない。 この著者のエッセイ集はこれを含めて3冊読んだが、どれも面白い。ハズレがない。鉄板という感じですね。2020/02/02
kei-zu
119
職場の女性にショーン・タンを紹介したら好評だったので、ならばとショーン・タンの翻訳も多い本書の著者を紹介しました。最新のエッセイ集を貸そうと、渡す前に目を通したら止まらず一気読み。 ドライ?日常のトホホ系?幻想的?本書のオビには「奇想天外、抱腹絶倒のキシモトワールド」とあるが、その形容もいささか居心地がよくない。常識が足下から崩れるような浮遊感。 ああ、叶わないがこんな文章が書きたい。2020/11/19
ぶち
119
読友さんのレビューを拝読して、読まずにいられなくなった妄想エッセイ。図書館の順番が廻ってくるのに数か月を要した人気本なのです。エッセイというより短編集を読んでいるよう。オチがちゃんとあって、小説としても楽しめるのです。奇想天外な着眼点、でも、自分の身近なことにも感じられます。抱腹絶倒な語り口。でも、ときどき怖くなります。自分もソックリな部分を持っていることを発見して。この物語はどれも気持ち悪く感じられて、でも読んでいて気持ちよくも感じられます。キシモトワールドに囚われてしまったか....2020/08/16
どんぐり
103
こないだ床屋の店主と映画の話になり、「ドクター・スリープ」と「大停電の夜に」のDVDを借りた。そのときにジャック・ニコルソンの名前が出てこなくて焦った。バットマンのジョーカー役に、チャイナタウンと周辺情報を持ち出して、シャイニングに行き着いてお互いゴール点を見出した。そんな似た話が、この本ではトム・クルーズとして出てくる。→2021/12/31